2013 Fiscal Year Annual Research Report
組換えワクシニアウイルスを用いた抗HTLV-1ワクチンの開発
Project/Area Number |
13J05302
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅田 謙治 京都大学, ウイルス研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | HTLV-1 / ワクチン |
Research Abstract |
これまでHTLV-1は成人T細胞白血病や慢性炎症性疾患(HAM)を起こす事が分かっている。本課題では新たな方法として組換えワクシニアウイルス(rVV)を用いた治療法を開発する。 H25年度は①rVV接種によって誘導されたメモリーT細胞の機能評価、②霊長類へのワクチン効果の評価、③STLV-1感染ニホンザルへのワクチン接種、以上3つのテーマに沿って実験を行った。 ① HTLV-1抗原(Tax若しくはHBZの変異体)を発現するrVVをC57BL/6に接種した所、Tax若しくはHBZペプチド刺激によってIFN-gammaを産生するT細胞が増加した。特にrVV-TaxM22 (Taxの変異体)によって誘導されたメモリーT細胞はIL-2, IL-4, TNF-alphaなど様々なサイトカインを産生した。 ② HTLV-1霊長類モデルとしてMT-2細胞をアカゲザルに接種した。接種したサルではHTLV-1抗体価が上昇した事から、HTLV-1の感染が成立したと判断して作製したrVVを接種した。その結果、rVV-TaxM 22とrVV-HBZ LL/AA (HBZ変異体)の両方でT細胞でのペプチド特異的IFN-gamma産生を検出した。 ③ 別のHTLV-1感染霊長類モデルとしてSTLV-1自然感染ニホンザルを用いた。抗原としてTax/HBZと同等の機能を持っsTax/SBZの変異体を抗原として用いた。それらの抗原を発現するrVVを感染ニホンザルに接種した所、sTax/SBZペプチドに反応するメモリーT細胞を検出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでHTLV-1のウイルス抗原であるHBZは抗原性が非常に低く、宿主にHBZ特異的T細胞を誘導出来なかった。しかし、組換えワクシニアウイルスを用いる事でそれらを可能にした。加えてマウスに加えて霊長類でもメモリーT細胞を誘導出来ている
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Strategy for Future Research Activity |
組換えワクシニアウイルスはHTLV-1/STLV-1抗原特異的メモリーT細胞をマウス・サルに誘導出来るとこが分かった。次の段階として宿主への影響を調べる。マウスではrVV接種後にHTLV-1抗原を発現する細胞株を擁し、生存率を調べる。サルでは血中のHTLV-1/STLV-1ウイルス量やCTLの反応を検出する。合わせて、rVVによって誘導されたCTLが認識するエピトープを探索する。
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Research Products
(1 results)