2014 Fiscal Year Annual Research Report
モデルマウスに基づいた難聴発症予防法および治療法開発基盤の確立
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13J05376
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
鈴木 沙理 東京農業大学, 生物産業学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝学 / 難聴 / マウス / コンソミック系統 / オリーブオイル / シルデナフィルくえん酸塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.難聴モデルマウスからの新規難聴感受性遺伝子の同定 早発性難聴系統のDBA/2J(D2J)における第5番染色体上の候補遺伝子の発現量比較を定量的RT-PCRにより実施した結果、D2JマウスにおいてGrxcr1およびP2rx2遺伝子の発現減少および増加が確認された。これらの遺伝子がコードする蛋白質は内耳蝸牛の感覚毛での発現が報告されている。 次に、C57BL/6J (B6J) 系統の第5番染色体をD2J系統の相同染色体に置換したB6J-Chr5@D2Jコンソミックマウスを樹立し、第5番染色体の難聴発症に関する効果を検証した結果、低・中周波数の聴力においてB6J-Chr5D2JコンソミックマウスはB6JおよびB6J-Chr5@B6J/D2Jヘテロマウスと比較し、統計学的に有意な聴力低下が検出された。 また、第12番染色体上の難聴抵抗性に関与する責任遺伝子を同定するため、B6J系統の第12番染色体のセントロメア領域から広範囲の領域をMSM/Ms (MSM) 由来の領域に置換したB6J-Chr12C@MSMコンソミックマウス系統を用いてマイクロアレイによる遺伝子発現解析を実施した結果、36遺伝子においてB6Jと比較し、MSM、B6J-Chr12C@MSM/MSMおよびB6J-Chr12C@MSM/B6間で共通した2倍以上の発現減少・増加の変動パターンが検出され、その中には聴覚器官での機能が報告されているDock4およびPtprn2遺伝子が含まれていた。 2. 新たな抗難聴新薬の検討 新たな抗難聴食品してオリーブオイル、および抗難聴薬としてシルデナフィルくえん酸塩のD2Jマウスの早発型加齢性難聴に対する発症抑制効果を検討した結果、高周波数の聴力閾値において、オリーブオイル投与群およびシルデナフィルくえん酸塩投与群は非投与群と比較し、統計学的に有意に聴力差が認められ、これらの薬剤が難聴発症を軽減させる効果をもつ可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)