2014 Fiscal Year Annual Research Report
自己蛋白の発現コントロールによる安全・簡便・効果的な骨増成法の新規開発
Project/Area Number |
13J05404
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
北見 恩美 新潟大学, 医歯学系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞移植 / Heat Shock Protein27 / 骨増成 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は移植骨芽細胞の生着と骨増生への寄与を明らかにするとともに、抗アポトーシスタンパク質HSP27が移植骨芽細胞の生着、分化および石灰化に及ぼす影響を解析し、より安全・簡便・効果的な骨増生法を開発することである。 マウス頭蓋冠由来骨芽細胞株に一過性過剰発現ベクターを遺伝子導入し、HSP27一過性過剰発現骨芽細胞の細胞増殖能、石灰化能および抗アポトーシス能への影響を解析した。HSP27の過剰発現により細胞増殖能、石灰化能に変化は認められなかったが、H2O2によって誘導されるアポトーシスの抑制が見られた。 HSP27過剰発現の移植骨芽細胞への影響を明らかにするために、ラット頭蓋骨欠損部細胞移植実験モデルを用いてHSP27一過性過剰発現骨芽細胞移植実験を行った。HSP27過剰発現細胞ではPCNA陽性細胞率が移植後7日で有意に上昇し、アポトーシスは移植後3、7日後において有意に抑制されていた。 さらに長期の欠損部骨治癒への影響を観察するため、1、2、4週後にマイクロCT解析を行った。細胞を含まない移植体と比較し、細胞移植群は骨治癒が促進されたが、HSP27の過剰発現の有無による骨欠損治癒に有意差は認められなかった。そこで蛍光色素にて移植細胞の挙動を追跡したところ、本研究で用いた頭蓋骨欠損モデルにおいて移植骨芽細胞の骨芽細胞、骨細胞への分化は確認できなかった。 以上の結果よりHSP27の一過性過剰発現は移植骨芽細胞のアポトーシスを抑制したが、長期の骨治癒には影響を与えない可能性が示唆された。さらに骨芽細胞移植は骨欠損治癒に有効な手段であるが、移植細胞は骨再生のための骨芽細胞の細胞源としてではなく、宿主細胞へ何らかの影響を与えることで骨治癒を促進している可能性が示唆された。今後は、より効果的な骨増生法の確立に向け、移植細胞の骨治癒への寄与の詳細なメカニズムを明らかにしていく必要がある。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)