2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J05412
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 拓 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員DC2
|
Keywords | 有理曲線 / 超曲面 / 射影空間束 / 端射収縮射 / ファノ多様体 / 有理連結 / ピカール数 / VMRT |
Research Abstract |
以下の二種類の研究を行った : (1)次元の大きい超曲面で覆われる多様体の研究, (2)四次有理曲線に関して有理連結な多様体の研究. (1)は以下の予想に関する研究である : 予想A(本研究代表者による予想)「P^N内のn次元複素非特異射影多様体Xが次元m>__-[n/2]+dのd次非特異超曲面で覆われるならば, Xは射影空間束, もしくはファイバーがd次超曲面であるような射X→Yを持つ.」予想Aは射影空間および超曲面のある種の特徴付けを包含するものであり, 本研究課題にとって重要である. E. Satoによりd=1の場合, M. C. BeltramettiとP. Ionescuによりd=2の場合, K. Watanabeによりd=3の場合で, 予想Aが成立することが証明されている. 本研究では, (i)d=4の場合, (ii)一般のdに対して, 完全交叉に関するハーツホーン予想および強い条件m>__-(2n-1)/3+dを仮定した場合, それぞれについて予想Aが成立することを得た. 特に(ii)が任意の次数dに対する結果であることは, 先行研究との大きな相違点である. (2)は次数dの有理曲線族Fに関して有理連結, すなわち, 一般的な二点がFに属す有理曲線で繋がれるようなn次元複素非特異射影偏極多様体(X, H)に関する研究である. 本研究は射影空間束の特徴付けにも深く関連し, 重要度が高い. d<__-3の場合においてはこれまでに多くの研究がなされているが, d>__-4についてはほとんど知られていない. 本研究ではd=4の場合に関して以下の結果を得た : 「交点数(-Kx. F)がn+3以上ならば, ある二種類の例外を除いてXのピカール数は4以下であり, かつ直線で覆われる。」また, Xが曲面(n=2)のとき, (a) Xが直線で覆われる場合, (b) Xが直線で覆われずFが一般非分裂でない場合, それぞれの場合において完全な分類を与えた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度, 研究課題「射影空間の特徴付け」に関連する二種類の研究を行い, いずれも先行研究を数段階一般化させることに成功した.
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き有理曲線の変形理論を用いて, 代数多様体のVMRT(極小有理曲線の成す多様体), ピカール数, ベクトル束と曲線との交点数等の計算を行い, 射影空間および超曲面を特徴付ける性質を明らかにする. また, 正標数体上の代数多様体に対しても検証を行う.
|
Research Products
(6 results)