2013 Fiscal Year Annual Research Report
自発的脳活動がもつ機能の解明に向けた力学系的アプローチ
Project/Area Number |
13J05413
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
栗川 知己 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 理論神経科学 / 分岐 / 自発神経活 |
Research Abstract |
本研究では、近年盛んに研究されている自発的脳活動を含めた情報処理の様式を、"memories as bifurcations"という新しい枠組みの元で調べることを目的としている。 具体的には申請書において以下の二つの研究の方向を提示した。1. 今まで用いたモデルの低次元化による数理構造の理解。2. 具体的な系への応用。これら二つの成果について本年度実績を述べる。 1. 低次元化による数理構造の理解 : 本年度は最初のステップとして以前提案したモデル(Kurikawa and Kaneko, EPL, 2012)に対して、amari-maginu法、self-consistent signal noise analysisなどの既存の平均場を用いた解析を適応した。しかし、本モデルにおいて重要な役割を果たしている外場の取り扱いが難しく、現在この点を克服すべく、重点的に解析を行っている。これらは学習過程がないモデルであるが、学習があるモデルの数理構造を解析するために、先に提案した(Kurikawa and Kaneko, PLoS Comput Biol, 2013)単に一度学習するモデルを改良し、繰り返し学習モデルを構築した。これにより、本研究の芽的である入力による分岐構造と自発活動・誘起活動のつながりがより明瞭になりつつある。現在はこの構造のいくつかの平均場法による解析を試みている。 2. 具体的な系への応用。 申請書では海馬への応用を目指すとしたが、以前のモデルは発火頻度ニューロンを用いた極めて抽象的なモデルであったので、ここではまずその前段階としてスパイクニューロンを用いた系への応用を試みた。この解析により、より現実的なネットワークでも、以前に提出した我々の抽象的なモデルの振る舞いを定性的に再現できることを確認した。この成果をまとめて、Neural networks誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1低次元化の試みにおいて、平均場的な解析が思ったより進展していない。これにより次のステップである統計モデルを用いた近似解析に着手できていない。 2実際の系への応用。第一ステップとしてのより現実的なニューロンモデルの構築に成功している。こちらは比較的順調である。以上二つの方向を総合し、やや遅れていると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 引き続き平均場による解析を試みる。ただしあまりに難航するようであれば、いきなり統計モデルによる近似的な解析を試みることも考慮している。 2. 実際の系への応用を試みる。申請書では海馬モデルを例にあげたが、現在研究室でまとまりつつある意思決定の実験的研究があるので、そちらへの適用も試みる。 現在、強化学習を取り入れたモデルを構築し、簡単な解析を行っているのでそれの深化を図る。
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Research Products
(3 results)