2015 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン量子ドットと腹腔鏡を用いた腹膜播種の新規蛍光診断/治療法の一体化開発
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13J05621
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 誠一 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 胃がん / 腹膜播種 / ヒアルロン酸 / ナノゲル / 蛍光診断 / ドラッグデリバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、Si量子ドット(Si-QD)に腹膜播種への標的能を付与するために使用予定のシスプラチン担持ヒアルロン酸(HA)ナノゲルが、マウス腹膜播種モデルの播種数を減少させることが確認された。HAは胃がん細胞に過剰発現しているCD44と特異的に結合する性質があるため、腹膜播種を選択的に標的できると期待される。今年度はこの抗腫瘍効果をより詳細に調べるために、HAの分解酵素であるヒアルロニダーゼ(HAse)を用いた検討を行った。その結果、HAseで細胞を前処理することで、HAナノゲルのヒト胃がん由来細胞株への増殖抑制効果が向上することが明らかとなった。これは、CD44と予め結合しているHAが除去され、HAナノゲルが結合できる受容体数が増加したからだと考えられる。この結果は、HAナノゲルがCD44を介した経路で腹膜播種に取り込まれていることを裏付けており、HAナノゲルとHAseとの併用治療の有効性を示唆している。 以上の検討に加え、今後Si-QDの配置を精密に制御しながらHAナノゲル中への封入を行うために、トロント大学においてDNAを用いたナノ粒子の高次構造制御についての研究を行った。これは、ナノ粒子表面にDNAを修飾し、これを粒子間のリンカーとして用いることで、一つの大きな粒子の周りに複数の小さな粒子が衛星の様に連結した粒子の高次構造体(コア-サテライトナノ粒子)を形成させるものである。今年度は蛍光物質やがんへの標的分子を導入したコア-サテライト ナノ粒子を作製し、その形態を特定のDNAに応答して変化させることに成功した。さらに、形態変化に対応して粒子の蛍光特性やがんへの標的能を変化させることが出来た。今後、特定の疾患に関連したDNAに応答してナノ粒子の高次構造体の形態が変化し、その変化に誘起されて診断/治療効果が発現される、といったシステムへと発展していくことが期待される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Production of Cisplatin-Incorporating Hyaluronan Nanogels via Chelating Ligand-Metal Coordination2016
Author(s)
S. Ohta, S. Hiramoto, Y. Amano, M. Sato, Y. Suzuki, M. Shinohara, S. Emoto, H. Yamaguchi, H. Ishigami, Y. Sakai, J. Kitayama, and T. Ito
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Journal Title
Bioconjugate Chemistry
Volume: 27
Pages: 504-508
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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