2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J05683
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
汪 海林 東京工業大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 燃料電池 / 触媒 / ナノ粒子 / graphene / carbon nanotube / solid proton conductor |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、低温燃料電池用多機能型全無機電極材料の開発を目的としている。その目的を実現するために、以下の三つのステップを計画した。 1.新規三次元カーボン材料の開発および担持する触媒の作製と評価 2.無機プロトン伝導体を有する全無機電極材料の開発と評価 3.膜-電極複合体(MEA)の作製と電池性能評価 平成26年度には、前年度の研究結果を基づいて、三次元カーボンに安価なPtCoナノ粒子を担持する触媒を合成し、燃料電池のカソードで行う酸素還元反応(ORR)活性を評価した。本研究で開発した触媒は合金化また三次元カーボンで触媒の高分散化により市販触媒より約2倍の質量活性を示した。更に、触媒の耐久性の評価結果から、三次元カーボン担持した触媒は市販触媒よりカーボン腐食の速度が遅いため、高い耐久性を持つことが得られた。一方、今年度で無機プロトン伝導体を有する全無機電極材料の開発も行った。具体的に、規則構造を有するカーボンナノチューブ担持した触媒Pt-CNTを用い、まずPt-CNTの表面に無機プロトン伝導体の前駆体ZrO2ナノ粒子を被覆し、この後様々な酸性変換条件でZrO2層をプロトン伝導体ZrSまたZrSPPに変換させ、このような二段階を経って触媒表面に厚みが約2nmの無機プロトン伝導層を被覆した。TEM観察、XRD、TG,またICP分析により無機プロトン伝導層の存在を確認した。また、電気化学評価の結果から全無機電極材料はORR活性を示し、燃料電池への応用が期待できる。今年度では計画通りに第一ステップを踏みながら、第二ステップをクリアした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案した二段階方法の通りに全無機電極材料を合成し、TEM観察、XRD、TGまたICP分析により無機プロトン伝導層の導入を確認した。また全無機電極材料は酸素還元反応活性を示し、燃料電池への応用性を示した。それにより、研究目的の二つ目のステップをクリアした。今後の全無機材料の電池性能の評価に展開し、計画についておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画はまず全無機電極材料を用い、膜-電極複合体(MEA)の作製方法を習う予定である。現在スプレー法や転写法など様々な作製方法があるため、新規開発した材料に最適な方法を検討する。その同時にMEAの評価方法また装置の使い方を習得し、MEAの発電試験、CV評価、セル抵抗、拡散抵抗などの評価試験を行う予定である。また、高温条件での燃料電池評価手法も確立し、全無機電極材料の高温条件で性能の評価も計画する。
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Research Products
(1 results)