2014 Fiscal Year Annual Research Report
確率制約条件付きモデル予測制御に基づく移動体の対人安全技術の確立
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13J05707
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
萬 礼応 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歩行計測 / トラッキング / カルマンフィルタ / 相関処理 / 自己位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
サービスロボットなど人間の生活空間で稼働する移動体には、歩行者の動きを考慮した安全な移動技術が求められている。このような移動を実現するためには、歩行者の動きを追跡・予測する技術が必要である。移動体に対峙した歩行者の動きをより直接的に捉えるためには、重心だけでなく、両脚を識別し、支持脚・遊脚の状態を含む歩行周期まで取得できることが重要である。特に、歩行者が移動体と対峙し、方向転換する場合には両脚がクロスするような動き(クロスステップ)がみられる場合があり、両脚の誤識別や見失いが生じやすい。また、病院内での走行を想定した際に、高齢者の特徴的な動きに対応できる手法が必要である。そこで平成26年度は、移動するロボット搭載のレーザレンジセンサを用いて、これまでの直進歩行や方向転換の動きに加えて、旋回運動や高齢者にみられる小刻みな歩行など、より複雑な動きに対しても歩行者の両脚の軌跡及び歩行周期を計測可能な手法を開発した。開発した計測技術の妥当性を検証するために、実際に病院内のスタッフを被験者としてサービスロボットとのすれ違い実験に加え、高齢者を被験者として旋回動作を含む複雑な動きに対する計測実験を行い、三次元動作解析装置VICONを用いた検証から提案手法の有効性を検証した。さらに、方向転換時のクロスステップを検出可能なアルゴリズムも開発しており、これらに基づいて歩行者の移動体に対する進行方向の変化を含めた未来の動きを予測することで、より安全な回避行動の実現が期待される。また現在、開発しているロボットのハードウェアと自己位置推定技術を中心にアルゴリズムを改良し、今後の実験的検証に向けて準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人間の生活空間で稼働する移動体には歩行者の動きを追跡・予測する技術が必要である。特に、歩行者が移動体と対峙した場合の動きを捉えることが重要となるため、歩行者の両脚の軌跡および支持脚・遊脚の状態を含む歩行周期を計測可能な手法の設計に取り組んだ。これまでの直進歩行や方向転換の動きに加えて、旋回運動や高齢者にみられる小刻みな歩行など、より複雑な動きに対しても両脚の移動軌跡及び歩行周期を計測可能な手法を提案した。被験者実験を行い、三次元動作解析装置VICONとの比較から有効性を検証した。また現在、開発しているロボットのハードウェアと自己位置推定技術を中心にアルゴリズムを改良し、今後の実験的検証に向けて準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
提案手法により取得した歩行者の両脚の軌跡および支持脚遊脚の状態を含む歩行周期に基づき未来の動きの不確定要素を確率分布で表現する。そして、移動体のダイナミクスなどの制約条件や安全性や移動効率などの評価関数の定式化を行い、本研究で対象とする動的な環境における移動問題を確率制約条件付きモデル予測制御に適用し、数値シミュレーション及び実機実験により検証を行う。また、複数の歩行者が存在する複雑な環境へも適用できるように手法の拡張を行う。
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Research Products
(8 results)