2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J06234
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
伊藤 元裕 国立極地研究所, 研究教育系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 採餌生態 / 意思決定 / 番 / 協調行動 / 採餌量 / 集団行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヨーロッパヒメウに18個体から採餌記録を得ることに成功した。特に今年度は4番にGPSと新開発の加速度計を取り付けることによって、集団の最小単位である番間の協調行動の有無についての解析を行うことが可能となった。GPSロガーによって、約1週間にわたる本種の採餌場所を調べるとともに、加速度ロガーを用いて、その採餌場所でどのぐらいの量の餌を本種が獲得したかを推定した。彼らが何を基準にして餌場所を選んでいるかに着目し、仮説として、「彼らは自分自身や番相手が直前の採餌で多く餌を捕った場所を記憶しており、その場所を繰り返し訪れることで餌捕り効率を上げている」のではないかと考え解析を行った。その結果、自分自身の過去の餌獲得量が次の採餌場所選択に影響することが示唆された。一方、番相手の餌獲得量は、次の採餌場所選択に影響しなかった。本結果は、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イギリスの水理生態研究所、東京大学と共同でスコットランドのメイ島において採用期間中2度目のフィールド調査を行った。初年度に得られたデータのフィードバックによって、動物の集団の行動の最小単位である番間の行動調節について深く迫ることができるデータを得た。またその内容は、2度のシンポジウムにおいて発表されるにいたった。今年度、不具合のあったロガーについて詳細に製造元と情報交換を行うことで、ロガーの改良が既に行われ最終年度における調査についても万全の態勢を整えていることから概ね順調に研究が進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は新たなロガーを使うことで、非常に良好なデータを得ることが出来た。しかし、ロガーの初期不良により一部データが欠損してしまうという問題点も発生た。この結果を、フィードバックすることによって、ロガーの改良を既に終えている。来年度は、改良したロガーを用いて再度調査を行い、十分なサンプルサイズを確保し、3年分のデータを統合して解析を進めたいと考えている。
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Research Products
(6 results)