2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規NPC1L1阻害剤の創製およびNPC1L1によるステロール輸送機構の解明
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13J06522
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唐木 文霞 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | NPC1L1 / トランスポーター / pharmacological chaperone作用 / コレステロール |
Research Abstract |
NPC1L1は小腸・胆管の細胞膜上において, コレステロールの吸収を担うトランスポーターである. NPC1L1は13回膜貫通型の膜タンパク質であり, 細胞外側に3つの大きなループを有する. 最もN末端側のループはコレステロール結合部位であることが示されているが, 我々はNPC1L1のホモログであるNPC1に関する知見から, NPC1L1にはN末端ドメインとは別の第二のステロール結合部位が存在するとの仮説を構築した. 本研究は, N末端ドメインおよび第二のステロール結合部位にそれぞれ特異的な阻害剤を創製し, これら2つのステロール結合部位のコレステロール吸収における役割を明らかにすることを目的とする. 今年度は, 第二のステロール結合部位を標的とした阻害剤の創製に成功した. NPC1L1の第二のステロール結合部位に対する結合は, 当初の計画通りpharmacologi cal chaperone作用による局在変化を指標とすることで検出できた. この局在修正作用を指標として構造活性相関研究を行い, ステロイド骨格を有するNPC1L1リガンドを得た. この新規NPC1L1リガンドがNPC1L1の機能に対して及ぼす影響を調べたところ, Caco-2細胞およびマウスのいずれにおいても阻害作用が確認できた. 今後は, これらの阻害剤のN末端ドメインに対する結合能を評価し, 結合の特異性について検討する. また, 第二のステロール結合部位が具体的にNPC1L1のどこに位置するのか, 光親和性標識法により特定することを目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採用1年目にして, NPC1L1の2つの結合部位のうち第二のステロール結合部位を標的とした阻害剤を得ることができたから.
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Strategy for Future Research Activity |
pharmacological chaperone作用の構造活性相関から, NPC1L1の第二のステロール結合部位の同定は従来の光親和性標識法では因難だと考えられる. そこで, この課題を克服するために受入研究室を変更し, 新たな光親和性基の開発を行う.
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Research Products
(2 results)