2013 Fiscal Year Annual Research Report
天体間飛行の新たな回転座標系における表現とその応用
Project/Area Number |
13J06557
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 純 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 電気推進 / 低推力軌道設計 / 変動回転座標系 |
Research Abstract |
本研究は, 座標系回転角速度が変化する変動回転座標系を用いて, 電気推進によるスパイラル軌道の設計を行うものである. 本研究で定義する変動回転座標系上ではスパイラル軌道が非常にシンプルな形で表示される. この状況下では, 軌道形状を先に与え, その後推力履歴を解析的に導出するというShape-Based Methodを用いることが可能になる. 本手法では, 軌道形状と推力履歴の導出を分離できること, 境界条件の扱いが非常にシンプルになるという利点がある. 本年度は, 万有引力下でのShape-Based Methodを定式化した後, 太陽系における2体問題, 4体問題を題材に円軌道間飛行の軌道設計を行った. その結果, 最初に与える軌道形状のパラメーターを振るだけで, 境界条件を満たす軌道を多数生成できることが示された. また, この定式化に修正を加えることで, 木星系における楕円軌道間飛行の軌道設計もShape-Based Methodにより行えることを示した。 本研究では, 軌道設計に際し, 中心天体を原点とする2次元回転極座標系を定義する. この座標系の回転角速度は, 探査機の位置に依存するよう定義されている. この定義により座標系が探査機の運動に追従して回転する. そのため, 低推力軌道の典型例であるスパイラル軌道が, 非常にシンプルな形で表現される. この座標系上でShape-Based Methodを用いることで, 多彩な軌道を簡潔に設計できるようになった. 本年度は, 確立した手法の具体的応用として, 太陽系惑星L点間, および木星系衛星L点間の遷移軌道の設計を行った. このシステムは, 太陽-出発天体-目標天体-探査機の4体問題である. このような複雑なダイナミクス・境界条件を持つシステムであっても, 本手法を用いることで, 視覚的に簡単に遷移軌道を設計できることを, 具体的な例を挙げて示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・設計手法を確立したため. ・次年度以降に必要な, 最適化手法の基礎を築いたため.
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Strategy for Future Research Activity |
軌道設計をする際は, 最適化を行うことが必須である. 本手法は, 視覚的に軌道設計ができることが特徴的であることから, 最適化も視覚的に行えるようにすることが望ましい. そこで, 次年度以降は, 最適化の解析的アプローチを導入して, 視覚的最適化を行うことを目指す.
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Research Products
(2 results)