2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規がん抑制遺伝子の機能解析から解き明かすテロメレース発現制御ネットワーク
Project/Area Number |
13J06643
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大平 崇人 鳥取大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | がん抑制遺伝子 / メラノーマ / TERT / テロメレース / PITX1 |
Research Abstract |
申請者は, テロメレースの内在性の抑制遺伝子としてPITX1を同定した. しかし, PITX1を中心する関連分子を含めたテロメレース抑制のネットワーク機構については未知な部分が多く残されている. そこで, 本年度はPITX1に関連する新規遺伝子の同定とその機能解析を目的とした研究に取り組んだ. プルダウン解析によるPITX1関連因子の同定 テロメレース活性が抑制されているU20S細胞において, FLAG-Tagを付加したPITX1を安定発現する細胞株(U20S FLAG-PITX1)を樹立し, FLAG抗体による免疫沈降反応によりPITX1を回収し, 得られたタンパク溶液を質量分析計LC-MS/MSによって解析し, ペプチドの検索とアミノ酸列を決定, PITXIと共にテロメレース制御に関与する新規の遺伝子の同定を試みた. その結果, X遺伝子を見出した. 次に, ヒトメラノーマ6細胞株において, X遺伝子の発現動態解析をウエスタンブロット法によって行った結果, 発生母地であるメラノサイトに比べ, 6株すべておいて発現の低下・消失を確認した. さらに, PITX1とX遺伝子を一過性に共発現させたメラノーマ細胞株A2058で, PITXIとX遺伝子の複合体が認められ, 共発現ではそれぞれの遺伝子の単独発現と比ベテロメレースの発現制御因子であるTERTの顕著な抑制効果が認められた. これらの結果から, PITX1によるテロメレース抑制機構のネットワークに関わる新規の遺伝子としてX遺伝子の存在示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PITX1のカウンターパートの同定は, 本実験のテロメレース制御ネットワークを解析する上での骨子にあたる部分であり, その遺伝子同定に至ったことは今後の研究に繋がる大きな進展と言える.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後PITX1とX遺伝子複合体とhTERTの発現抑制のメカニズムをさらに探るために, PITX1のX遺伝子への結合サイトを検索中である. また, in vivoでの実験について十分な解析が行えていないので安定発現株を樹立し, in vivoにおけるPITX1とx遺伝子の機能解析, 種々のがん形質への抑制効果を検討する.
|
Research Products
(3 results)