2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍幹細胞の治療抵抗性に関わるエピジェネティック変化の解明と新規治療開発
Project/Area Number |
13J06657
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大須賀 覚 慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グリオーマ / 放射線抵抗性 / 脳腫瘍幹細胞 / 癌幹細胞 / IGF1 / 細胞間接着 / 脳腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、癌の再発には治療抵抗性を持つ癌幹細胞が関与していることが知られている。しかし、癌幹細胞が治療刺激によってどのようなエピジェネティック変化を介して治療抵抗性獲得を果たしているのかは十分には解明されていない。そこで、私は脳腫瘍幹細胞(GSC)が反復した治療刺激(放射線治療など)によって、どのようなヒストン修飾変化を呈して、抵抗性獲得をしているのかを解析した。 初年度にマウスGSCの実験系を用いて、GSC自身が反復放射線治療中に、IGF1-Akt-FoxO3a経路を介して、新たな放射線抵抗性を獲得することを明らかにしました(Stem Cells, 2013)。また、この研究において確立した放射線抵抗性GSCモデルを利用することで、抵抗性獲得に重要と思われるヒストン修飾関連分子の同定を行い、放射線抵抗性GSCにおいて発現量増加する19個、発現量低下する5個を同定した。 さらに、グリオーマ患者のデータを使ってのin silico解析を実施し、治療抵抗性には幹細胞性ならびに細胞接着に関与する遺伝子の発現が重要であることを見出した。この結果を踏まえて、反復放射線照射中に発現変化する細胞間接着分子のスクリーニングを行い、特定の細胞間接着分子の変化がGSCの幹細胞性の上昇と、細胞分裂の速度遅延を介して、治療抵抗性獲得に重要であることを見出した。 今後は、本研究から得られた結果をもとにして、GSCの治療抵抗性獲得に重要に関わるエピジェネティック変化と、その下流の細胞間接着分子の変化を同定して、有効な治療薬の開発につなげたいと思っている。 本研究で得られた成果は、多くの共同研究にもつながり、骨肉腫のIGFシグナルを介した抵抗性機序の解明や(Cancer Res, 2014)、小児脳腫瘍であるMedulloblastomaの研究にもつながった(Lancet Oncology 2016)。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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