2014 Fiscal Year Annual Research Report
反応性クライオプラズマの創製とその材料加工プロセスへの応用
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13J06697
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宗岡 均 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | クライオプラズマ / プラズマ化学 / 超臨界流体 / 密度揺らぎ / 絶縁破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
「クライオプラズマを用いた材料加工プロセス科学という新しい学術基盤を築き、様々な応用可能性を開拓すること」を目的として、本年度は、(A) ヘリウム(He)の気液臨界点近傍における絶縁破壊現象についての研究、(B) He/窒素(N2)混合系クライオプラズマ中の種々の反応のプラズマガス温度依存性についての実験および計算による研究、(C) レーザー干渉計によるプラズマガス温度測定という主に3つの研究を行った。 (A)について、前年度の実験結果を基に、前年度に提唱した「密度揺らぎ場中の平均自由行程」を評価する手法として、新たに局所的低密度領域およびイオン励起電界放出に着目した局所空隙モデルを構築し評価を行った。その結果、密度揺らぎという現象が内包するサイズ依存性が、電子の運動に関しても数マイクロメートル以下の極短ギャップ放電においてのみ発現するため、絶縁破壊電圧の臨界異常が発現することが示された。 (B)について、前年度実施した実験結果および新たに構築した反応モデルについての考察を深めた上で研究をまとめて発表した。また、時間分解レーザー吸収分光により準安定He原子密度の測定を行った。その結果、準安定He原子の長寿命化および密度上昇が確認され、上記反応モデルを改良した計算により、不純物密度の評価を行った。 (C)について、レーザーヘテロダイン干渉計により屈折率測定を通じてガス温度を見積もる手法を活用し、クライオプラズマチャンバーに適合するような形でレーザー干渉計を組み上げ、測定を行った。現在実験・解析を進めている段階であり、次年度には成果として発表できる予定である。 なお、クライオプラズマ源の制御技術や基礎物性において解明すべき点がまだ多く残っていたため、予定を一部変更して基礎研究を中心に研究を進めた。次年度に材料プロセスへの展開を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を一部変更したため当初予定の実験をすることができなかった部分があるが、一方で、研究目的達成のために重要な知見である、密度揺らぎ場中の電子の運動や、プラズマガス温度によるプラズマ科学の変化及びそれに対する反応モデルを昨年度に引き続き示すことができた。また、本研究において最重要なパラメータであるプラズマガス温度の評価を行った。これらの知見は研究計画を立てた際には、重要であるが実現が容易ではないと考えたため計画から除外していたが、今回達成することができたため、②の評価とする。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、特にプラズマ化学反応のプラズマガス温度依存性について、および多孔質材料へのプラズマ表面処理を通じて研究目的を達成する予定である。前者については、まずアルゴンや酸素を含む系において実験・考察を進め、その結果次第で、ヘリウムあるいはアルゴンのどちらを希釈ガスとした反応性クライオプラズマプロセスとするかを確定し、反応性ガスを含むクライオプラズマプロセスの開発に取り組む。後者については、熱に弱い多孔質材料内部への表面処理を通じて、クライオプラズマプロセスの有用性の柱の一つである低侵襲性を持つ表面処理プロセスの開発を進める予定である。
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Research Products
(10 results)