2013 Fiscal Year Annual Research Report
ファンコニ貧血経路についての数理モデル構築及び生物学的実験による治療薬探索
Project/Area Number |
13J06811
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山本 君代 奈良女子大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 数理モデル / ファンコニ貧血 / BRCA / DNA修復 |
Research Abstract |
本研究の目的は、FA(ファンコニ貧血)経路ネットワーク定量的数理モデルの構築、及び、そのモデルのシミュレーション解析と理論解析を通じたFA経路ネットワークの力学的特性の解明である。当年次の計画は、蓄積された定量的な細胞生物学的実証データを文献や論文、また申請者の大学院時代の実験データを元に収集し、数理モデルを構築すること、また、シミュレーションと微分方程式のフィードバックを行うことで検討を繰り返し実証データに適合するまで数理モデルを最適化することである。申請者は、現在の知見を基にFA経路の因子から構成される数理モデルを仮定した。モデルに基づいた出生死亡過程による確率シミュレーションを行い、それらに矛盾なく対応する決定論的手法および確率過程を用いた理論式の構築を試みた。モデル仮定、シミュレーション、理論式の構築の全ての段階において検討を幾度も試みた結果、数理モデルの構築に成功した。出来上がった数理モデルの正当性を示す為にまたモデルが実用に耐え得るかを調べる為に、実証データと比較した。実証データとしては、大規模な遺伝子解析データ及び臨床コホートを用いた研究結果を用いた。 研究の意義や重要性について、FAの研究は国内外で盛んに行われているが、生物学的実験が主流となっておりシステムとしての理解は未発展である。当研究は、因子群の機能解明において数理モデルを用いることで、体系の把握や予測を行う事を試みており、FA研究に大きな進歩をもたらすという点において重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファンコニ貧血経路での主要因子に着目して構築した数理モデルについて確率的シミュレーションと理論式の構築に成功する段階まで来ており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策について、構築したモデルが既存の生物学的実験データや臨床研究結果を良く再現できるかを示すことでモデルとしての正当性を十分に示し、論文を作成する。
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Research Products
(3 results)