2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウガンダ農村部における初等教育の質向上にむけた費用効果分析
Project/Area Number |
13J06893
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂上 勝基 神戸大学, 国際協力研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 初等教育 / ウガンダ |
Research Abstract |
本研究の主目的は、ウガンダの初等教育で周縁化された農村部の学校において、どの投入物が、生徒にとって最も重要な教育の質の効果的改善に貢献し、最も費用対効果が高いかについて明らかにすることである。研究実施計画では、3年間の採用期間の1年度目となる当該年度に、1)本研究と関連する博士課程前期での研究の再考察、2)研究目的遂行に最も適したデータ選定と独自に収集する必要のあるデータのリストや新しいデータを用いた暫定的分析結果を含めた報告、3)ウガンダでの予備的フィールド調査、4)国際学会での発表を通じての研究計画高度化を行うとしていた。以下、各項目毎に当該年度の研究実績の概要を示す。 1)分析を見直し、精緻化した論文を学術雑誌に投稿中である。都市・農村格差の要因分解に焦点を当てた新たな推計方法による分析も進め、新たな知見を得、国内外の学会で研究成果発表を行った。 2)本研究において重要となる教育費用に関する変数を含み、因果的推論を行う可能性があるパネル家計調査のデータを用いた解析を開始した。暫定的分析結果を含めた発表は、博士論文の中間報告会にて行った。家計調査のデータは教育の需要側の情報を多く含む一方、供給側の情報が少ないという問題があり、本データもその例外ではない。来年度にずれ込んだ調査に向けたリストの作成はデータ解析と並行して開始しており、来年度も引き続き行われる。 3)当初の計画で3年度目に実施するとしていたアメリカ合衆国の研究機関における研究活動を本年度に実施したため、ウガンダでの調査は次年度以降に実施する。 4)国際学会でのプロポーザルの発表を行うと共に、アメリカ合衆国の研究機関(ピッツバーグ大学教育系大学院国際教育研究所、FHI360)での研究活動を約半年間実施し、より高度な教育統計解析スキルや国際教育開発に関する専門知識習得を通じて、研究計画高度化に大きく貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた博士課程前期での研究のまとめ、本研究で用いる2次データの選定・分析においては成果があったため。また3年度目に実施予定であった研究の高度化にむけた、アメリカ合衆国の研究機関での活動が実現したため。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間の採用期間の2年度目となる次年度は、現在進めている国際学カテスト、家計調査等の2次データを用いた分析をさらに進め、学術雑誌や学会での研究成果の発表を行えるレベルまで高める。また、1年度目に実施することができなかったウガンダでの調査を実施し、現在分析中のデータと結合可能な2次データの収集、定性的手法を用いたフィールドワークを行い、その結果を加味した研究発表も目指す。予備調査を行えなかったことについては、調査期間を十分にとる、2回目の調査実施を検討する等によって対応する。
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Research Products
(4 results)