2014 Fiscal Year Annual Research Report
ウガンダ農村部における初等教育の質向上にむけた費用効果分析
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13J06893
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂上 勝基 神戸大学, 国際協力研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 初等教育 / ウガンダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目的は、ウガンダの初等教育で周縁化された農村部の学校において、どの投入物が、生徒にとって最も重要な教育の質の効果的改善に貢献し、最も費用対効果が高いかについて明らかにすることである。研究実施計画では、3年間の採用期間の2年度目となる当該年度に、定量的分析の精緻化と博士論文本体の執筆、精緻化した定量的分析結果を含めた中間報告、ウガンダでのフィールド調査、国内外の学会での発表を通じて研究の高度化を行うとしていた。以下、各項目毎に当該年度の研究実績の概要を示す。 1 本研究において重要となる教育費用に関する変数を含むパネル家計調査のデータを用いた解析を1年度目に引き続き実施した。またデータ解析と並行するかたちで論文の導入部や先行研究レビュー、研究方法に関する最初の草稿を完成させた。 2 暫定的分析結果を含めた口頭発表を、博士論文の2回目の中間報告会にて行った。 3 当初の計画で3年度目に実施するとしていたアメリカ合衆国の研究機関における研究活動を1年度目に実施したため、ウガンダでのフィールド調査を2年度目にあたる当該年度にはじめて実施した。具体的には3か月間にわたり、首都カンパラに位置する総理府に客員研究員としての形式的身分を得、当該研究員が現在使用している2次データと結合可能な学校、コミュニティレベルの別の2次データの収集、県(ディストリクト)の教育担当者、学校の校長、教員、生徒、生徒の保護者を対象としたインタビュー調査、研究のテーマに関連した政府の教育政策や、国際援助機関によるものを含む教育開発プロジェクトに関する情報を集めるための資料・文献収集、政府や援助機関の担当者へのインタビュー調査を実施した。 4 国際学会で2度、研究成果に関する発表を行うとともに、国内の学会・研究会で多数の研究成果発表を行い、活発な意見交換を通じて研究の高度化に大きく貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた定量的分析の精緻化に取り組み、この成果に関する研究発表を多数実施することができたため。また調査期間を十分にとったウガンダでの調査を予定通り実施し、現在分析中のデータと結合可能な2次データの収集、定性的手法を用いたフィールドワークが実現したため。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間の採用期間の最終度目となる次年度は、これまでに行った2次データ分析の結果、フィールドワークの結果の取りまとめを中心に行い、研究成果の国際ジャーナルへの投稿を目指す。当初の計画で最終年度に実施するとしていたアメリカ合衆国の研究機関における研究活動は1年度目に既に実施している。次年度は必要に応じ、当該年度の調査で得られたかったデータや情報の収集のため、ウガンダでの追加調査を実施し、新しい成果を含んだ研究発表も国内外の学会・研究会において適宜行っていくことを予定している。
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Research Products
(8 results)