2015 Fiscal Year Annual Research Report
環境中放射性ストロンチウムの迅速定量法の開発と環境影響評価への適用
Project/Area Number |
13J06895
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 志彦 筑波大学, 数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ストロンチウム90 / 迅速定量法 / 福島第一原発事故 / 環境影響評価 / 放射性粒子 / 不溶性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では迅速定量が困難な放射性ストロンチウム90について、原子力災害等の緊急時を想定した手法の開発と、東日本大震災に起因する福島第一原発事故によるストロンチウム90の環境影響評価への適用を試みた。 加速器質量分析(AMS)を用いた迅速定量法の開発では、AMS法の基礎的知見を得ることに成功した。AMS法をSrの質量分析に適用した場合、Srは負イオンとして取り出すことが難しいため、タンデム加速器に導入することが困難である。しかし本研究では大電流負分子イオンビームを既成の汎用型負イオン源から効果的に負分子イオンビームを得る方法を確立した。さらにAMS法に適した土壌試料の処理法も完成させた。従来法では鉛の放射性同位体により干渉を受けるため、使用が躊躇われていた固層抽出法について、AMS法の試料にフッ化鉛を意図的に混合して、ターゲット試料とする特徴を組み合わせることで、適用可能となり、結果的に前処理の迅速・簡略化も達成した。 試料処理法の開発過程において、従来法を用いると、溶出できない事故由来の放射性物質が存在することを発見した。これらの放射性物質はケイ酸が母材で福島第一原発事故由来のセシウムを高濃度に取り込んだ微粒子であることが明らかになった。そしてこれらの粒子は1号機と2号機からの放出が確認されたが、ストロンチウム90の存在が疑われるのは原発から5 km圏内で見つかった1号機由来の粒子のみであることも判明した。1号機粒子は3月12日の水素爆発時に放出しており、微粒子に含まれる放射性物質と放出時期には強い因果関係が示唆された。 本研究課題では福島第一原発事故ではストロンチウム90の迅速定量が求められただけでなく、試料の前処理法の見直しも必要なことが明らかとなり、本研究により放射性ストロンチウムの測定技術、ならびに福島第一原発周辺のストロンチウム90の分析に明確な道筋が建った。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Use of a size-resolved 1-D resuspension scheme to evaluate resuspended radioactive material associated with mineral dust particles from the ground surface2016
Author(s)
Masahide Ishizuka, Masao Mikami, Taichu Y. Tanaka, Yasuhito Igarashi, Kazuyuki Kita, Yutaka Yamada, Naohiro Yoshida, Sakae Toyoda, Yukihiko Satou, Takeshi Kinase, Kazuhiho Ninomiya, Atsushi Shinohara
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Journal Title
Journal of Environmental Radioactivity
Volume: 印刷中
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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