2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J07107
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
土屋 貴大 東洋大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Crmp4ノックアウトマウス / 嗅球 / グルタミン酸受容体 / 突起伸長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、①Crmp4-KOマウス嗅球で見られた匂い刺激による神経の興奮異常の原因を特定する、②樹状突起の発達に関わるCRMP4の分子メカニズムを明らかにする、の2点を目的として実験を行った。 まず①に関して、当初の計画通り神経の興奮・抑制に関与する遺伝子群の嗅球での発現をリアルタイムPCRにより調べた。その結果、神経の興奮に重要なグルタミン酸受容体(GluR1-4)の内、GluR1とGluR2の発現がCrmp4-KOマウスでは野生型(WT)マウスより有意に高い事が明らかになった。一方、神経の興奮抑制に重要なGABA受容体やGABA合成酵素の発現には遺伝子型間で有意な差は見られなかった。さらに、ウエスタンブロッティング解析により、GluR1とGluR2の発現はCrmp4-KOマウスの方がWTマウスより有意に高い事がタンパクレベルでも明らかになった。これにより、Crmp4-KOマウス嗅球で見られた匂い刺激による興奮異常はグルタミン酸受容体の発現増加が原因の1つである事が示唆された。 ②に関して、当初はCrmp4-KOマウス嗅球の初代培養系を用いて僧帽細胞の樹状突起の発達を解析する計画であった。しかし僧帽細胞を培養初期の段階で特定することが困難であり、発達中の僧帽細胞の形態を調べることができなかった。そこでHT22細胞(マウス海馬由来細胞株)を用い、CRMP4のノックダウン及び過剰発現の実験を行うことにより、CRMP4が樹状突起形成にどう関与するか調べた。まずCrmp4をノックダウンしたところ、HT22細胞の樹状突起の長さは、コントロール群と比べ有意に長い事が明らかになった。一方、CRMP4を過剰発現させたHT22細胞では、コントロール群と比べ有意に樹状突起が短い事が明らかになった。これらの結果より、CRMP4は樹状突起の伸長に対して抑制的に機能している事が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究実施計画書の内容をほぼ達成することができた。またこれまでに明らかになった研究内容はすでに論文として纏めており、雑誌への投稿を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により、Crmp4-KOマウスで自閉症や統合失調症などの神経発達異常で見られる表現型の一部(嗅覚異常や神経の興奮異常)が示された。これにより神経発達異常へのCRMP4の関与が示唆された。そこで今後はCrmp4ノックアウト(-KO)マウスの行動学的解析を成体も含めて行い、CRMP4と神経変性疾患との関係性を明らかにしたい。また、本研究によりCRMP4が樹状突起伸長に抑制的に働くことが明らかになったので、今後その分子メカニズムを明らかにしたい。
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Research Products
(2 results)