2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境変動への耐性と省電力を両立したデータセンタの仮想ネットワーク制御技術の研究
Project/Area Number |
13J07115
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樽谷 優弥 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | データセンター / 省電力化 / 仮想ネットワーク制御 |
Research Abstract |
これまでの研究では、従来型のデータセンターよりも、目標性能を達成するために必要なネットワーク機器が少ない仮想ネットワーク構築手法について提案してきた。しかしながら、光通信を導入することによる消費電力への影響や、目標性能の変化に応じて仮想ネットワークを動的に制御することが、省電力化に有効な手段であることについては示していない。今年度の研究では、光通信を導入することによる消費電力への影響と目標性能の変化に応じて仮想ネットワークを動的に制御することの有効性を明らかにした。1. 光通信を導入することによる消費電力への影響について調査を行うために、ラック内のサーバと接続しているToRスイッチの各ポートと光スイッチが接続したネットワーク構造を用いて調査を行う。提案手法では、目標性能の変化に応じて、仮想ネットワークを動的に再構成し、不必要な機器の電源を落とすことで省電力化を行う。ToRスイッチの電気ポートを直接接続した電気通信のみの固定のネットワークの消費電力と光通信を導入し、提案手法を用いた場合の消費電力を比較すると、一部の領域では光通信の機器を加えるため、消費電力が増加する。一方で、目標性能の変化に応じて、仮想ネットワークを再築することにより、不要な機器の電源を落とすため、電気通信のみの固定のネットワークよりも、大幅に消費電力が削減できることを明らかにした。また、固定のネットワークからリンクを削減することでネットワーク制御をする手法との比較を行い、トラピック量の変動に応じて、仮想ネットワークを動的に再構築することが、消費電力の削減に有効な手段であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年では、環境変動に応じて仮想ネットワークを動的に制御することによって、従来のデータセンターネットワークよりも省電力であることを明らかにし、提案手法の有効性を示せた。また、提案手法を既存の機器で実現する方法や経路制御についても議論しており、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、省電力性と環境変動への耐性の両立を目指したデータセンターの仮想ネットワーク制御について研究を行ってきた。2年目は経路制御による省電力化を行う予定であったが、その効果が低くスケールの小さい話になってしまうため、計画を変更し、近年のデータセンターで用いられるマルチテナント方式を用いる場合について研究、及び議論し、環境変動として故障への対応と省電力性を両立する制御手法について議論する。
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Research Products
(1 results)