2014 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸リハビリテーションにおける呼吸モダリティーを修飾する新規運動療法の開発研究
Project/Area Number |
13J07166
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桂 沛君 東北大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 呼吸リハビリテーション / 呼吸困難 / 咳嗽 / 痛覚 / 性差 |
Outline of Annual Research Achievements |
呼吸リハビリテーションは慢性呼吸器疾患の重要な治療法の一つである。呼吸リハビリテーションの制限因子の一つに運動により呼吸困難などの不快な呼吸感覚の増悪が上げられる。もし運動中の呼吸困難と咳衝動を上手にコントロールできれば、飛躍的に運動療法の効果が上がり、呼吸器疾患患者の運動耐容能が上がり、QOLが改善し、生命予後の延長につながるはずである。これまで呼吸モダリティーとしての呼吸困難と咳衝動の働きが十分に明らかにされなかった。本研究において、痛覚感受性に対する咳衝動と呼吸困難感の影響を検討することを目的とする。また、その影響の性差を調べることをもう一つの目的とする。
その結果、咳衝動の増加に伴い、痛覚閾値は有意に増加し、耐容能も増加する傾向が示唆された。 一方、呼吸困難強度の増加に従って、痛覚閾値が有意に上昇し、耐容能も上がる傾向が示された。 最後に、咳衝動の増加に対する痛覚閾値の変化と呼吸困難に対する痛覚閾値の変化との間に有意な相関関係が認められた。その影響の性差に関する検討結果、ベースライン時に、男性より、女性の痛覚閾値が有意に低かった。咳衝動や呼吸困難強度の増加に従って、男女とも痛覚閾値が有意に上昇した。咳衝動の増加に伴う痛覚閾値の変化には、性差を認めなかった。同様に呼吸困難の増加に従って痛覚閾値の変化には、性差はなかった。
男女を問わず、ヒトは不快な呼吸感覚が大きければ大きくなるほど、痛みに対する感受性が鈍くなることを初めて報告した。呼吸感覚及び痛覚感受性には女性が敏感だが、呼吸感覚の鎮痛作用には性差がない。現在、高齢化が世界中で急速に進んでいる。高齢者は一つの疾患だけではなく、急性期でも慢性期でも複数の疾患を同時に抱えている場合が多い。本研究のような症状間の相互作用を機序を含めて研究することが、現代の重複疾患・障害の時代における診断学として今後重要になってくると思われる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)