2013 Fiscal Year Annual Research Report
クラウドコンピューティングを指向した仮想化技術に関する研究
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13J07177
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
穐山 空道 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | データセンタ / クラウドコンピューティング / 仮想化技術 / ライブマイグレーション |
Research Abstract |
本研究では、クラウドに用いられるデータセンタの運用効率をあげるため、物理マシン(ホスト)間で仮想マシン(VM)を自由に移動する技術であるライブマイグレーションの高効率化を目的とする。効率の良いライブマイグレーションによって、低負荷なホストのVMを集約して消費電力を削減する、高負荷なホストのVMを分散してサービスレベルを維持する等の運用効率向上が可能となる。ライブマイグレーションではVMのメモリ内容を移動元ホストから移動先ホストへ転送する。従来手法ではVMメモリ内のデータ種別を区別せず転送するため、メモリデータの種別に合わせた転送の工夫が行えなかった。2013年度の研究成果では、VMのメモリ内のファイルキャッシュを効率的に転送する方式を提案・実装・評価した。ファイルキャッシュはファイルを読み書きのためのキャッシュであり、一部はストレージに同一のデータが存在する。そこで我々は、ライブマイグレーション時にファイルキャッシュのメモリ内の位置を特定し、ストレージサーバから復元することでVMのメモリ転送を高速化する手法を開発した。VMのメモリのうちファイルキャッシュはストレージサーバからストレージ専用ネットワークを通じ転送し、それ以外の部分は通常のネットワークを通じ転送することでライブマイグレーションの大幅な高速化を実現する。評価実験の結果、ファイルキャッシュがメモリの多くを占めるデータベースVMや大きなファイルを扱うwebサーバVMにおいて効果が高いことが明らかになった。本研究成果は、ライブマイグレーションの高効率化技術としての重要性を持つのみならず、ゲストOSによるメモリの使われ方を意識したライブマイグレーションの有用性および実現方法の一方向を示したという点でも非常に有意義である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の課題としていたゲストOSによるメモリの使われ方を考慮したライブマイグレーション高効率化について、一定の成果が得られ査読付き学会でも発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策では、ライブマイグレーションの高効率化手法をより深く最適化するという当初の研究計画をやや変更する。最終目標であるクラウドデータセンタの省電力化という観点から、ライブマイグレーション自体の負荷による消費電力の増加をモデル化し、全体の消費電力のうちどの程度を占めるのかの予測を可能とする。近年のライブマイグレーション研究では、ライブマイグレーションによる負荷増加を定量的に調査しクラウド高効率化における影響を明らかにする研究が重要性を増してきており、本研究課題もこれに合わせ若干の計画変更を行う。
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Research Products
(3 results)