2014 Fiscal Year Annual Research Report
細菌・卵菌・ウイルス病害に対する新規「三重耐病性」の解析とその応用に向けた研究
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13J07248
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
中野 真人 高知大学, 教育研究部総合科学系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 植物病理学 / リン脂質 / ホスファチジン酸 / ホスホリパーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
三重耐病性を示す植物では病原体感染時においてリン脂質代謝に変化が認められた。そこで、三重耐病性の分子機構を明らかにするため、(1)植物免疫を活性化するリン脂質の探索、(2)植物免疫に関わるリン脂質代謝経路の同定と機能解析、(3)リン脂質シグナリングの下流因子の探索、を行った。 (1)三重耐病性植物から抽出したリン脂質や標準物質のリン脂質を植物に処理し、免疫応答を継時的に調べた。数十種類のリン脂質について調べたところ、ホスファチジン酸(PA)を処理した植物では防御反応に関わる活性酸素種の生成が増加した。また、PA処理はエリシター応答時の防御反応を顕著に促進した。これらの結果から、PAは免疫活性化能を有することが示唆された。 (2)PAは主にホスホリパーゼC(PLC)とホスホリパーゼD(PLD)経路から生産される。ベンサミアナタバコにおいて、3つのPLCと4つのPLDの完全長配列を新たに決定するとともに、各遺伝子を抑制した植物を作出して免疫応答を解析した。その結果、エリシター処理時に誘導される活性酸素種の生成や防御関連遺伝子の発現が低下していた。また、病原性青枯病菌感染時に見られる萎凋症状の進展が促進された個体や非病原性青枯病菌接種時に形成される過敏感細胞死が遅延した個体が見出された。これらの結果から、PA生合成に関わるPLC/PLD経路は、免疫応答の誘導に必須であることが示唆された。 (3)先述の二つの実験結果から、PAが免疫応答において重要な役割を担うことが明らかになった。PAによる免疫応答の活性化機構を明らかにするために、PAを処理した植物からタンパク質を抽出・濃縮し、二次元電気泳動に供試した。その結果、PA処理により複数のタンパク質スポットが量的・質的に変化した。このことから、PAは転写あるいは翻訳レベルで細胞内応答に影響を与えることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)