2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J07288
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小川 友以 九州大学, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | グラフェン / CVD合成 / ドメイン構造 / ドメイン境界 / キャリア輸送特性 / π共役系分子 / 自己組織化 |
Research Abstract |
CVD法は大面積化可能なグラフェンの合成方法であるが、従来のCVDグラフェンは多結晶構造を有しており、ドメイン境界における物性評価が必要とされる。本研究では、CVDグラフェンのドメイン構造(特にドメイン境界)がキャリア輸送特性および光物性に及ぼす影響について検討を行った。 ・キャリア輸送特性 : CVDグラフェンのドメイン境界にまたがるように電界効果トランジスタ(FET)を作製し、I-V特性を評価した。CVDグラフェンは、欠陥由来のラマンDバンドが弱く高品質であったが、単一ドメイン内では20,000㎝^2/Vsが得られたのに対し、ドメイン境界では10,000㎝^2/Vsと著しい移動度の低下がみられた。さらに温度依存性から、単一ドメイン内ではフォノン散乱が支配的なのに対し、ドメイン境界では欠陥の存在を示唆する不純物散乱が優勢であるということが分かり、キャリア散乱のメカニズムが議論できた。 ・光物性 : グラフェンのドメイン境界が表面増強ラマン分光(SERS)の感度に与える影響を調査した。グラフェンエッジにおける検出強度の増大が著しく、ドメイン境界における検出感度増大の効果が低いことが分かった。これはドメイン境界における構造的乱れがエッジ部と比較して少ないことが示唆されるが、構造の違いはグラフェン成長だけでなく、SERS測定のための転写の影響も考えられ、さらに詳細な検討が必要である。 その他に、分子によるグラフェンの機能化、およびグラフェンを基盤としたフレキシブルデバイスへの応用という観点から、グラフェン上におけるπ共役系分子(塩化アルミフタロシアニン(ClAlPc)分子)の自己組織化に関する検討も行った。ClAlPc分子はグラフェン上で正方形の単位格子を持って規則的に配列することが分かった。また、その単位格子の方位はCVDグラフェンのドメインの方位を反映して回転することが示唆された。これらの結果よりCVDグラフェンはπ共役系分子の自己組織化テンプレートとして有効であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画にはCVD法によって合成したグラフェンのドメイン境界における物性評価を、キャリア輸送特性、機械的強度, 光物性と3点挙げていたが、そのうち2点についてのみ達成できており、加えて、前年度より研究を取組んでいたテーマ「グラフェン上におけるπ共役系分子の自己組織化」について議論を進め、学術論文としてまとめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、グラフェン分野は非常に展開が競争が激しく、当初2年目に計画していた「バンドギャップエンジニアリングを目指したグラフェン/hBN複合材料の合成」についてはすでに他の研究グループからの報告がなされ始めている。そのため、グラフェンとhBNだけに留まらず、他の二次元薄膜(カルコゲナイド系薄膜、酸化物薄膜)にも研究対象を広げ、原子薄膜を組み合わせたヘテロ接合またはヘテロ積層材料につついて、エレクトロニクス応用を目指した新規物性制御と評価に取り組んでいく。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Epitaxial Growth and Electronic Properties of Large Hexagonal Graphene Domains on Cu (111) Thin Film2013
Author(s)
Hiroki Ago, Kenji Kawahara, Yui Ogawa, Shota Tanoue, Mark A. Bissett, Masaharu Tsuji, Hidetsugu Sakaguchi, Roland J. Koch, Felix Fromm, Thomas Seyller, Katsuyoshi Komatsu, Kazuhito Tsukagoshi
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Journal Title
Applied Physics Express
Volume: 6
Pages: 075101-1-4
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Molecular self-assembly on CVD graphene2013
Author(s)
Yui Ogawa, Tianchao Niu, Swee Liang. Wong, Masaharu Tsuji, Chen Wei, Hiroki Ago
Organizer
2nd NUS-IMCE Bilateral Workshop
Place of Presentation
National University of Singapore (Singapore, Singapore)
Year and Date
20130628-29
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[Presentation] Molecular self-assembly on CVD graphene2013
Author(s)
Yui Ogawa, Tianchao Niu, Swee Liang. Wong, Masaharu Tsuji, Andrew Thye Shen Wee, Chen Wei, Hiroki Ago
Organizer
10th International Symposium on Novel Carbon Resource Sciences
Place of Presentation
九州大学筑紫地区(福岡県春日市)
Year and Date
2013-12-02
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[Presentation] Epitaxial growth and electronic properties oflarge hexagonal graphene domains on Cu (111) thin film2013
Author(s)
Hiroki Ago, Kenji Kawahara, Yui Ogawa, Shota Tanoue, Mark A. Bissett, Masaharu Tsuji, Hidetsugu Sakaguchi, Roland J. Koch, Felix Fromm, Thomas Seyller, Katsuyoshi Komatsu, Kazuhito Tsukagoshi
Organizer
International Conference on Solid State Devices and Materials 2013 (SSDM2013)
Place of Presentation
ヒルトン福岡シーホーク(福岡県福岡市)
Year and Date
2013-09-26
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