2013 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム安定性維持に関わるユビキチンリガーゼCRL4‐Cdt2の活性制御機構の解析
Project/Area Number |
13J07320
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
林 晃世 兵庫県立大学, 大学院生命理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DNA複製 / ユビキチン / 細胞周期 / クロマチン / PCNA / Cdt2 |
Research Abstract |
ユビキチンリガーゼCRL4-Cdt2は細胞周期制御因子(Cdt1, p21, Set8他)をPCNA依存的に分解し、正確な複製とゲノム安定性維持に働く。どのようにしてS期クロマチン上でのみCRL4-Cdt2分解系が作動するのかについて、精製タンパク質を用いたユビキチン化反応の再構成からアプローチしている。 PCNAはS期にPCNAローダーによってDNA上ヘロードされて複製を進行させ、複製後はDNAから離れる。PCNAのDNA結合とCRL4-Cdt2によるユビキチン化の連係を解析するために、PCNAをDNA上ヘロードする系の構築を行った。PCNAローダー(Rfcq-RFC複合体及びCtf18-RFC複合体)を精製し、Rfc1-RFCが環状ニックDNAへPCNAをロードすることを確認した。この系を用いて、CRL4-Cdt2によるCdt1のin vitroユビキチン化反応を行うと、Rfcl-RFCの添加によりユビキチン化が促進される傾向が見られた。DNA結合型PCNA、あるいはRfc1-RFCが、CRL4-Cdt2によるユビキチン化反応を支えていると考えられる。この傾向をより明確にするために、また、この機構を詳細に解析するために、DNAビーズの作製を行っている。PCNAローディングを促進するRPAタンパク質の精製も完了した。以上のように、平成25年度は本研究の基礎を確立することができた。 精製タンパク質を用いたCRL4-Cdt2ユビキチン化反応系では、高効率のポリユビキチン化が未だ報告されていない。本研究が進展すれば、CRL4-Cdt2が機能するための最小必要因子を決定でき、その制御からゲノムが安定に維持される機構の理解に貢献できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に必要な精製タンパク質全て(E1酵素、E2酵素、CRL4-Cdt2、基質Cdt1及びp21、PCNA、Rfc1-RFC及びCtf18-RFC、RPA)を整え、DNAビーズの作製も進んでいる。さらに、PCNAのローディング活性、CRL4-Cdt2によるユビキチン化活性も確認し、解析に重要な基盤は整った。まもなく活性制御や相互作用の解析が可能になると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
DNAビーズ上へのPCNAのローディングにより、純度の高いDNA結合型PCNAを得る。この系で、プルダウンやin vitroユビキチン化反応を行い、DNA結合型PCNAへの諸因子の複合体形成過程やユビキチン化活性化機構を明らかにする。また、CRL4-Cdt2によるユビキチン化におけるPCNAローダーの役割や使い分けについても検討する。
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Research Products
(2 results)