2014 Fiscal Year Annual Research Report
植物マイナス鎖RNAウイルスのリバースジェネティクス系確立に向けた分子基盤の構築
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13J07458
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 一也 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 植物ウイルス / 感染性クローン / マイナス鎖RNAウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的はマイナス鎖RNAウイルスであるfig mosaic virus (FMV)の感染性クローン作成の基盤の構築であり、当初は本年度には、植物細胞内における、6本のFMVゲノムRNAセグメントと、ゲノムRNAセグメントの複製に必要な、ウイルス複製酵素、ヌクレオキャプシドプロテインを発現するベクターの構築を完了し、これらの因子を植物体で発現させることで感染性を確認する予定であった。これら全ての因子を発現ベクターにクローニングし発現を試みたところ、5本のFMVゲノムRNAとヌクレオキャプシドプロテインの発現は確認されたが、ウイルス複製酵素とウイルス複製酵素遺伝子がコードされるゲノムRNAセグメント (RNA1)の発現が確認されなかった。これらの因子はウイルスの複製に必須な因子であり、発現させることは本研究計画の達成に不可欠である為、代替の手段が必要であった。そこで、ウイルスRNA複製酵素遺伝子をT7プロモーターの下流にクローニングし、in vitroでmRNAの転写を行ったところ、少ない量ながらmRNAの転写が確認された。同様にin vitroの転写系を用いることで、RNA1の発現も可能であると考えられた。次に、本mRNAを用いて無細胞翻訳系にて複製酵素の翻訳を試みたが、複製酵素の翻訳は確認されなかった。現在はヌクレオキャプシドプロテインを添加する、複製酵素遺伝子をコードするセグメントの非翻訳領域を含めたmRNAを作成するなど、様々な条件で複製酵素の無細胞翻訳系での翻訳を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染性クローンの作成のためにはウイルス複製酵素の発現が必須であるが、植物細胞内での発現が難しいため。直接的な原因としてはウイルス複製酵素の分子量が大きいためであると考えられるが、ウイルスタンパク質の翻訳にその他のウイルス因子が必要である可能性も考えられる。原因が断定できないことから、解決が難しい。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、複製酵素が発現する条件を検討する。検討した後にも翻訳が起こらない場合は、翻訳が複製とカップリングしており、ウイルスRNAの複製が起こらないと複製酵素が翻訳されない可能性がある。その場合FMVの感染細胞より複製酵素を得る必要がある。感染細胞から複製酵素が含まれる画分を抽出し、ウイルスRNAの複製が起こる条件を検討する。
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[Journal Article] Nucleocapsid protein of fig mosaic virus, a negative-strand plant virus, forms cytoplasmic agglomerates that are hauled by endoplasmic reticulum streaming2015
Author(s)
Ishikawa, K., Miura, C., Maejima, K., Komatsu, K., Hashimoto, M., Tomomitsu, T., Fukuoka, M., Yusa, A., Yamaji, Y., and Namba, S.
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Journal Title
Journal of Virology
Volume: 89
Pages: 480-491
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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