2013 Fiscal Year Annual Research Report
CFRPの高精度・高能率トリム加工を実現する新加工技術の開発 『曲線切断丸のこ』
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13J07620
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山田 洋平 東京農工大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 曲線切断丸のこ / CFRP / 丸のこ / トリミング加工 |
Research Abstract |
①丸のこによるCFRP加工特性の解明 CFRPに対して丸のこで直線切断実験を行うことによりCFRPの加工特性の調査を行った。本実験により、曲線切断丸のこの優位性、更なる切削能力の向上が可能になる。 ・曲線切断丸のこによる加工は、アンカットファイバーを生じさせず加工することが可能である。 ・曲線切断丸のこは、一刃当たりの実切削距離が短いため刃先に拡散する切削熱が小さい。また、工具直径が大きいため冷却時間が長い。そのため工具表面温度は50℃以下の低い温度を保つ。 ・曲線切断丸のこによるCFRP加工において、すくい面、前逃げ面には摩耗が生じない。しかし、炭素繊維のアブレシブ作用により横逃げ面に摩耗が生じることがわかった。 ・エンドミル加工と比較して曲線切断丸のこの平均切削力は低いことがわかった。しかし、びびり振動の影響による波形の乱れが見られた。 ②曲線切断丸のこの新加工機の開発 曲線切断丸のこの最大の欠点として, 加工断面が傾斜するという課題がある. これはのこ刃を傾けながら加工することにより抑制できる. また, 従来研究による曲線切断丸のこによる曲線切断は, 加工できる最小の曲率半径がR3mと大物部品への適用に限られていた. これはのこ刃径を小径化することにより小さい曲率半径を加工することが可能になる. そこでこれらの課題に対応した曲線切断丸のこの専用同時6軸加工機を開発した. 本加工機を用いて曲線切断実験を行ったところ, R205mmの小さな曲率半径を加工することが可能になった。加工精度は-0.37μmとなり加工機の剛性不足による誤差が生じたものの比較的良好な値となった. また, 加工断面傾斜抑制効果を確かめるために実験を行った. 結果, のこ刃を傾けることにより全ての条件において加工断面傾斜を57%以上抑制できることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CFRPの加工特性解明、加工機の開発は当初の計画以上に進展しているが、曲線切断丸のこの加工メカニズム解明という点では、シミュレーション開発の遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
CFRPの加工特性解明においては、更に詳しい調査を行う。具体的には、ハイスピードカメラによる切削挙動の観察。工具-被削材熱電対法による切削点温度の測定。三次元シミュレーションの開発による切削挙動の可視化などを行い、曲線切断丸のこの加工メカニズムを解明し、最適切削条件を見つける。 同時6軸加工機においては、加工断面傾斜抑制のための制御方法を確立し更なる高精度化を狙う。そのために、のこ刃たわみのフィードバック制御の導入。自由曲線加工実験などを行い、CFRPの高精度・高速曲線切断を実現する。
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