2013 Fiscal Year Annual Research Report
MPS法と連続体モデルの連成による不均一系充填層内気-液流解析モデルの構築
Project/Area Number |
13J07763
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
昆 竜矢 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 数値解析 / 製銑プロセス / 充填層液流れ / MPS-CFDカップリング |
Research Abstract |
本研究では、Moving Particle Semi-implicit (MPS)法と連続体モデルの連成による不均一系気-液流解析モデルの構築を目指す。本年度では以下の問題の解決について取り組んだ。 1, MPS法で計算した充填物や液体の空間情報を基に、連続体モデルで使用する三次元的な境界条件の設定を可能にするプログラムの作成を行う。 2, ガス流れが液流れに加える外力のモデル化を行い、解析モデルに導入する。 3, 解析精度の検証のため、単純な系での実験との比較を行い、気-液流の定性的な表現が可能なモデルの構築を目指す。 まず本年度の第一目標である、MPS法で計算した充填物、液体の情報から、気相の計算を行う連続体モデル(Computational Fluid Dynamics, CFD)で利用可能な三次元的な境界条件の導入を行った。計算モデルでは、液及び充填物の存在量から液の体積分率αを求め、以下の式(1)を用いて気液界面での流速を求めた。 μ=αμ_<iquid>+(1-α)μ_<gas>(1) ここで、μ, μ_<gas>, μ_<iquid>はそれぞれ、カップリング速度、ガス速度、液速度である。本計算モデルの導入により、液の滴下に合わせて、気体の運動の変化が発生することが確認できた。 計算モデルでは、MPS法で計算した液の挙動がガス流れに与える影響については、表現できているがガス流れから液体に与える影響について考慮していない。このため式(2)を用いて、液体周辺のガス流速から、抗力Fを発生させることで気体から液体への影響を再現することを試みた。 F=6πηγμ(2) ここでηはガスの粘度、γはMPS法で用いる液粒子半径である。この手法では液体の形状が球に近い場合については、再現することができたが、充填層内で起きる液の変形については適用することができなかった。このため、研究目標の2,3については、他の計算手法の適用などにより改良を行う必要性があるため、今後も引き続き検証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、解析モデルの大枠については構築が完了した。しかし、気液間の相互作用については、改善の余地があり、解析精度が十分ではない。以上の点から、研究はおおむね順調に進展している、といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の解析モデルの精度については、十分に検討を行っていないため、複数の手法について比較検討を行う必要がる。とくに気液間の相互作用については、解析条件に合わせて、境界条件や相互作用の与え方を検討する必要がある。今後は、液の運動によって引き起こされる気体への影響について、さらに厳密に解析を行い、冷間実験との比較についても行う予定である。
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Research Products
(11 results)