2014 Fiscal Year Annual Research Report
ハロアセチレンへの新規求核付加反応の開発とヘテロ環化合物および薬剤合成への応用
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13J07902
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山岸 優仁 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ハロアセチレン / 求核付加反応 / 官能性cis-オレフィン / カルボン酸アミド / ダブル付加 / ジヒドロオキサジン / アセチレン結合切断反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ハロアセチレンへの求核付加反応について、基質適用性等の拡大ならびにその応用利用を検討し、新規合成手法として確立することを目的としている。平成26年度は研究計画に従って以下の項目について検討し、下記の成果を得た。 1. ハロアセチレンへの求核付加による官能性cis-ハロオレフィン合成法の開発 研究実施計画に記載した炭素求核剤の利用は実現できなかったが、その研究途上カルボン酸アミドがハロアセチレンへ求核付加することを見出し、収率良くハロエナミン誘導体が得られることを明らかにした。 2. ハロアセチレンへの求核付加-異性化-求核置換による高効率有機合成手法の開発 2-1. 2-アミノアルカノールのダブル付加によるジヒドロオキサジンの簡便合成 2-アミノアルカノールとハロアセチレンの反応により種々の置換形式のジヒドロオキサジンを合成できることを明らかにした。また、本反応が当初想定した「求核付加-異性化-求核置換」の経路ではなく、これにさらにアミノ基が転位するステップが加わった、より複雑な経路で進行することを明らかにした。 2-2. エチレンジアミンのダブル付加と空気酸化によるアセチレン結合の切断 1, 2-エチレンジアミンとハロアセチレンとの反応を空気雰囲気下で行うと、2-1. と同様のダブル付加によって生成した中間体の酸化的切断を経て、出発物質のアセチレンの炭素が1つ減生したアミドが得られることを見出した。したがって本反応は例が少ないアセチレン結合のワンポット切断反応として有用である。 なお、上記の成果については平成27年3月の日本化学会第95春季年会で発表した。以上平成26年度の研究展開により、ハロアセチレンへの求核付加反応を機軸として、新たな官能性cis-ハロオレフィンやヘテロ環化合物の合成法、およびアセチレン結合の切断反応などの、新規な有機合成反応を開発し、平成25年度の研究成果と併せて、本反応を有用な有機合成手法として確立できた。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Research Products
(5 results)