2013 Fiscal Year Annual Research Report
競技力向上のためのトレーニング効果を予測する遺伝子多型マーカーの探索
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13J08000
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
宮本 恵理 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 特別研究員(PD)
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Keywords | 最大無酸素性エネルギー供給能 / トレーニング効果の個人差 / マイクロアレイ解析 / 高強度間欠的運動トレーニング |
Research Abstract |
平成25年度は、最大無酸素性エネルギー供給能のトレーニング効果に関連する遺伝子を明らかにするため、介入実験を実施した。健康な一般成人男性11名(年齢 : 23±3歳、身長 : 173.7±7.2cm、体重 : 67.1±7.1kg)を対象とし、最大無酸素性エネルギー供給能を向上させることが明らかとなっている高強度間欠的運動トレーニング(Tabata et al.,1996)を週4回、6週間行い、その前後で各種体力指標の測定、および筋生検(外側広筋)を実施した。トレーニング介入前後において発現レベルが変化したmRNAを網羅的に解析するため、筋生検サンプルを用いてマイクロアレイ解析(Affimetrix GeneChip^<[○!R]> Human Gene2.0ST Array)を行った。現在までに測定・解析が終了した6名分のデータでは、6週間のトレーニング介入により、体重、体脂肪率に有意な変化は認められなかったが、MRI法により測定した大腿部の筋横断面積は、介入前と比較して介入後に有意な増加が認められた(介入前 : 13551.8±1485.2mm^2、介入後 : 14160.7±1738.7mm^2、P<0.01)。最大無酸素性エネルギー供給能の指標である最大酸素借は、介入前と比較し介入後に平均して12.2%有意に増加した(介入前 : 56.3±5.0ml/kg、介入後 : 63.4±7.5ml/kg、P<0.05)。しかしながら、1人1人の最大酸素借の変化率を個別に見てみると、変化率には大きな個人差が存在し、その範囲は-0.4%から27.8%であった。トレーニング介入前後において、骨格筋中で発現しているmRNAの発現パターンをスクリーニングした結果、介入後に発現レベルが1.2倍以上有意に増加しているmRNA数は合計316個であった。それらのmRNAについてPathway解析を行うと、主に解糖系やミトコンドリアの電子伝達系、酸化的リン酸化系などのエネルギー供給経路に関与する遺伝子の発現が変動していることが示された。今後、トレーニング効果の個人差と関連する遺伝子の同定を行い、トレーニング効果を予測するための遺伝子多型マーカーを同定することで、最終的には個々人の遺伝特性と体力特性の両方を考慮したオーダーメイドトレーニングメニューを提案することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに得られているデータから、最大無酸素性エネルギー供給能のトレーニング効果には個人差が存在することが確認できており、マイクロアレイ解析も上手くいっていることから、今後サンプルサイズを増やすことで、本研究課題の目的であるトレーニング効果の個人差に関与する遺伝子を同定することができると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、サンプルサイズを大きくし、トレーニング効果の個人差と関連する遺伝子の同定を目指す。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] ACTN3 R577X genotype is associated with sprinting in elite Japanese a thletes.2014
Author(s)
Mikami E, Fuku N, Murakami H, Tsuchie H, Takahashi H, Ohiwa N, Tanaka H, Pitsiladis YP, Higuchi M, Miyachi M, Kawahara T. Tanaka M.
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Journal Title
International Journal of Sports Medicine
Volume: 35
Pages: 172-177
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Comprehensive analysis of common and rare mitochondrial DNA variants in elite Japanese athletes : a case-control study.2013
Author(s)
Mikami E, Fuku N, Kong QP, Takahashi H, Ohiwa N, Murakami H, Miyachi M, Higuchi M, Tanaka M, Pitsiladis YP, Kawahara T.
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Journal Title
Journal of Human Genetics
Volume: 58
Pages: 780-787
DOI
Peer Reviewed
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