2013 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属酸化物によるキシロース水溶液からのフルフラール合成
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13J08061
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野間 遼平 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 水中機能ルイス酸触媒 / 遷移金属酸化物 / 糖類変換反応 / フルフラール / HMF |
Research Abstract |
①Ti02やZr02, Nb205, Ta205を用いたキシロース水溶液からのフルフラール合成を検討した. フルフラールはポリエステル, PET, ポリアミド, ポリウレタン等の様々なプラスチックの原料となり, バイオマス由来の有用化合物として注目されている. 本反応は塩酸などのブレンステッド酸触媒やSn含有ベータ型ゼオライトのルイス酸点により進行するが, 有機溶媒の添加や150から200℃程度の高温条件が必要である. 本年度の研究により, 遷移金属酸化物は120℃の水溶媒中でフルフラールを生成することを見出した. さらに, 遷移金属酸化物表面をリン酸で処理することによってフルフラール選択率が大幅に向上することが明らかになった. 本研究から得られた知見は5単糖類の有用化合物への変換を, 環境低付加なプロセスで実現可能にするという点で重要である. また, ②酸化チタン触媒を用いたグルコースからのMF合成反応の反応メカニズムについても検討を行った. HMFもフルフラールと同様にバイオマス由来の有用化合物である. 本反応は, グルコースからフルクトースへの異性化を経由して脱水反応が進行する経路とフルクトースを経由せずに脱水反応のみで反応が進行する経路の2種類が報告されている. 本反応の反応経路を同位体交換したグルコースを用いて検討したところ, 後者のフルクトースを経由しない経路であることが明らかになった, 本研究により, より高活性で高選択的な触媒を合成するために必要な反応の律速段階の検討や, 酸点による基質の活性化の検討が可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は, 有用化合物へ変換可能な糖類を6単糖のグルコースから5単糖のキシロースまで拡張することと, グルコースからのHMF合成反応のメカニズムを明らかにすることを目標としていた. 本年度の研究では2点とも達成することができたため, 目標通りに進展させることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
糖類変換反応の更なる触媒活性向上に向け, ①新規触媒の合成と②反応メカニズムの解明を行う. ①新規触媒はSc_2O_3, La_2O_3, WO_3, MoO_3まで拡張し, 構造と触媒活性の評価を行う. また, 前周期酸化物の4配位サイトが活性点である事が明らかになっているので, 結晶構造内に4配位Nb種をもつLaNbO4やYNbO4などの触媒活性の検討も行う. ②反応メカニズムの解明ではグルコースからのHMF合成反応における中間体を分取し, 律速段階や反応速度, 活性化エネルギーの検討を行う. また, キシロースからのフルフラール合成反応における反応メカニズムも同位体交換反応などを用いて検討する.
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Research Products
(5 results)