2013 Fiscal Year Annual Research Report
肢芽を脇腹化する因子による肢芽の位置の設定機構の解明
Project/Area Number |
13J08085
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
植田 翔悟 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 形態形成 / 胚発生 |
Research Abstract |
本研究課題では、側板中胚葉で発現するcux2が肢芽の位置を設定する作用機序を理解することを目的として研究を行っている。平成25年度は、この目的で、(1) cux2の転写調節機能の解析と(2) cux2のダイレクトターゲットの網羅的解析を行った。 (1) cux2の転写調節機能の解析 cux2の転写活性型コンストラクトを作製し、ニワトリ胚内に導入して肢芽形成の変化を観察した。その結果、cux2の転写活性型コンストラクトを導入した胚は肢芽形成が抑制された。この表現型は、cux2を強制発現させた表現型と類似した表現型であったことから、cux2は、肢芽の位置を設定するために、転写活性因子として働く可能性が示された。 (2) cux2のダイレクトターゲットの網羅的解析 作製したニワトリcux2タンパク質の抗体を用いて、Whole Genome Chromatin lmmunoprecipitation-Sequencing (ChlP-seq)を行い、cux2のダイレクトターゲットの探索を行った。その結果、体壁においてcux2タンパク質の局在している制御領域の候補が複数箇所見つかった。さらに、いくつかのcux2結合領域について近傍遺伝子の発現解析を行ったところ、体壁でcux2と発現領域が重なっていることが観察された。そこで、これらの遺伝子をcux2のダイレクトターゲット遺伝子の候補とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究目標であった(1) cux2の転写調節機能の解析については、cux2が転写活性因子として働く可能性を明らかにし、また(2) cux2のダイレクトターゲットの網羅的解析についてでは、複数のターゲット候補遺伝子を特定できた。このように研究は、当初の計画通り、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究成果を踏まえ、最終年度の研究目標としている(3)cux2のダイレクトターゲットの機能の解析を行う予定である。これらの研究を通じて、cux2がターゲット遺伝子を介して、肢芽の位置を設定する機構の全貌を明らかにする。
|
Research Products
(1 results)