2014 Fiscal Year Annual Research Report
ロジウム触媒を用いたアルキニルエーテルの不斉共三量化反応の開発
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13J08112
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮内 祐太 東京農工大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ロジウム / 分子間環化三量化反応 / アルキン / 還元的芳香族化反応 / シクロパラフェニレン / 酸化的環化反応 / 安息香酸 / イソクマリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では主として、カチオン性ロジウム(I)/ビスホスフィン系錯体触媒を用いた分子間環化三量化反応を鍵とする、官能基化されたシクロパラフェニレン(CPP)の合成法の開発を目的とし、具体的には以下の検討を行った。 (1) カチオン性ロジウム(I)/H8-BINAP錯体触媒を用いた分子間環化三量化反応及び還元的芳香族化反応による官能基化された[8]および[12]CPPの合成 (2) カチオン性ロジウム(I)/H8-BINAP錯体触媒を用いた段階的な分子間環化三量化反応及び還元的芳香族化反応による官能基化された[4]CPPの合成 上記(1)においては、現段階では官能基化された[8]CPPの合成は達成できていないものの、官能基化された[12]CPPの合成に初めて成功した。また、合成した[12]CPPについて、X線結晶構造解析及びSTM解析を行った結果、非常に興味深いことにCPP分子が三次元的なチューブ構造を形成することが明らかとなった。上記(2)においては、分子間環化三量化反応に用いる中間原料の合成ルートを確立した段階に留まっているものの、以下の反応の開発に成功した。 (3) 電子不足ロジウム(III)触媒を用いた安息香酸とアルキンとの酸化的環化反応によるイソクマリン誘導体及びナフタレン誘導体の合成 以上の研究において、カチオン性ロジウム(I)/ビスホスフィン系錯体触媒及び当研究室で開発した電子不足ロジウム(III)触媒の優れた特性を最大限に活かすことにより、従来の触媒系では実現することができなかった高選択的な反応の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画とは異なるものの、(1)カチオン性ロジウム(I)/H8-BINAP錯体触媒を用いた分子間環化三量化反応及び還元的芳香族化反応による官能基化された[12]CPPの合成、(2)電子不足ロジウム(III)触媒を用いた安息香酸とアルキンとの酸化的環化反応によるイソクマリン誘導体及びナフタレン誘導体の合成を達成したため、当初の計画以上に進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画とは異なるものの、カチオン性ロジウム(I)/H8-BINAP錯体触媒を用いた段階的な分子間環化三量化反応及び還元的芳香族化反応による官能基化された[4]CPPの合成を目指し、反応に用いる基質デザインの最適化、反応条件の詳細な検討を行う。 また、既に初期的知見が得られているカチオン性ロジウム(I)/H8-BINAP錯体触媒を用いたジインとアルキンとの半分子内環化三量化反応について、反応条件、基質適用範囲など、より詳細な検討を行う。さらに、本反応で得られるジエン誘導体を配位子として用いた触媒反応の開発を目指して検討を行う。
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