2014 Fiscal Year Annual Research Report
GISによる言語地理学研究-瀬戸内海地域をフィールドとして-
Project/Area Number |
13J08268
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
峪口 有香子 徳島大学, 大学院総合科学教育部, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 言語地理学 / 追跡調査 / 経年変化 / GIS / 空間分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、通信調査によるデータ収集を中心にフィールドワークを行い、随時得られたデータをGISに認識させる為に、データベース化する作業を中心に行いました。今年度、新たに得られた追加調査地点は、総計300地点です。今年度博士論文に関係する発表は、7回行いました。まず2014年6月に行われた、日韓次世代学術フォーラム第11回国際学術大会では「日本における言語地理学-瀬戸内海地域をフィールドとして-」について口頭発表をしました。2014年7月に行われた、変異理論研究会夏合宿で、「瀬戸内海域における言語変化―『瀬戸内海言語図巻』との比較を通じて―」について口頭発表をしました。2014年11月に2014年人文地理学会で、「Twitter投稿データにみられる地域方言の分析-瀬戸内海沿岸地域を事例として-」について口頭発表をしました。2015年3月は、四国GIS学会で、「瀬戸内海東部地域における言語変化の動向」についてポスター発表をしました。2015年3月は、Japanese Language Variation and Change conference2015で、「瀬戸内海地域における言語変化―小豆島をフィールドとしてー」についてポスター発表をしました。本発表は、基盤研究(A)「方言分布変化の詳細解明―変動実態の把握と理論の検証・構築―」(代表:大西拓一郎氏)の一環として、言語地理学的視点から経年変化という視点で、香川県小豆島を調査対象地域に選定して行った言語地理学的調査の結果をまとめ報告を行いました。さらに、国際ジャーナルである、IJCAT - International Journal of Computing and Technology, Volume 2, Issue 2, February 2015に、「Research on Oral Map in Regional Dialect using Google Map」という査読論文を投稿し掲載されました。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当研究課題に関して、国際学会、国内学会での研究発表はもとより、研究論文、報告書などの執筆においても、年度当初に予定していた以上の研究成果が得られました。国際学会レベルでの査読論文掲載をはじめ、国内レベルにおいても期待した以上の多くの論文・報告書などを出版することができました。この理由は当調査に着手して以来、過去4年間において瀬戸内海域各地の島々・沿岸各地を訪れ、調査活動を展開し、1550地点にもおよぶ、各地の生え抜きの高年層の方々から、方言資料の提供を受けてきたからに他ならないと考えます。また、このほか『瀬戸内海言語図巻』の電子データ化の許可を著者および出版社から得ると同時に当著書の共同執筆者の多くの方々から激励を受け、着実に電子化を進めております。このように特別研究員として、当初の計画通りに着実に進めており、その成果は、これまでの予想を超え、たいへん充実していると思います。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目の進捗状況に応じて、引き続きデータ収集及びデータをデータベース化する。来年の博士論文作成の為に、データ収集、データベース化を精緻に行い、理論の構築に向けて調査に漏れのないようにする。データを整理しまとめ、GIS上に実時間の変化、相対的変化を示し、新たな理論の検証、構築を試みる。学会発表を積極的に行い、多くの研究者から有益な意見を得るチャンスをつかむ。それを参考に自論を改善し、研究発表で取り上げた内容のいくつかを、論文にまとめ公刊をする。
|
Research Products
(26 results)