2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J08319
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
武田 尚子 鳥取大学, 地域学部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ケラタン硫酸 / 精密化学合成 / 軸索再生阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、損傷を受けた中枢神経が再生しないことは、損傷神経周辺に形成されるグリア瘢痕に蓄積されるミエリン由来のタンパク質やプロテオグリカン(PG)に起因することが報告されている。特に、PG中のコンドロイチン硫酸やケラタン硫酸(KS)が軸索再生阻害に影響を与えていることも判明しつつある。KSオリゴ糖は、構成糖の硫酸基の位置や数の違いによって複数の硫酸化パターンが存在し、正確な機能ドメインは明らかになっていない。天然のKSオリゴ糖は複数の硫酸化パターンや糖鎖長で構成されているため、生理活性の検証には、天然のKSオリゴ糖を用いてKS分子中の機能ドメインを明らかにすることは困難である。本研究では、軸索再生阻害活性に密接に関係するKSオリゴ糖の構造を明らかにするため、精密化学合成によって硫酸化パターンや糖鎖長が明確なKSオリゴ糖を系統的に合成することとした。 平成25年度は、四種類の硫酸化パターンをもつKSオリゴ糖の最小単位である二糖の合成を行った。四種類の硫酸化パターンをもつKS二糖の合成では、共通二糖中間体を用いて効率的に合成を行うことで、四種類の硫酸化パターンをもつ二糖を得ることに成功した。しかし、KS二糖では軸索再生阻害が確認されなかったため、平成26年度は糖鎖の伸長を行った。KS二糖を合成した知見を活かし、共通二糖中間体から水酸基をアシル基で保護した二糖供与体と受容体へと誘導し縮合を行ったが、目的とする四糖保護体を高収率で得ることができなかった。水酸基を電子求引性のアシル基で保護したことにより、基質の反応性が低下したのではないかと考え、保護基をアルキル基に変更し縮合を行った結果、高収率かつ立体選択的に四糖保護体を得ることに成功した。得られた四糖保護体は、位置選択的な硫酸化を行った後、全ての保護基を除去することで、KS四糖を得ることに成功した。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Remarks |
2014年11月18日に行われたJoint meeting of the Society for Glycobiology and the Japanese Society of Carbohydrate Researchでは、Selected Talkに選ばれ、口頭発表いたしました。
|
Research Products
(14 results)