2014 Fiscal Year Annual Research Report
高頻度データに対する統計解析手法の数理的側面からの研究
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13J08419
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
小池 祐太 統計数理研究所, 数理科学研究科, 特任研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高頻度データ / 共分散推定 / 非同期観測 / ジャンプ / マイクロストラクチャーノイズ / 内生サンプリング |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の時系列が非同期かつ観測誤差つきで観測されている状況下で、その観測データから時系列間の共分散構造を推定する問題を研究した. 共分散の推定は, 複数のデータの関連度合いをはかる際に重要であり, 特に金融分野では分散投資によってリスクを減少させるために正確な推定が重要となる. また, 非同期観測とは, 2つ以上の時系列データが相異なる観測時刻で観測されている状況のことをいい, 金融資産の約定価格のデータなどで典型的に現れる状況である. さらに, 近年そのような金融時系列データにおいては, マイクロストラクチャーノイズと呼ばれるある種の観測誤差が問題となっており, これらの理由から, 本研究は特に金融分野でのリスク管理手法の向上に貢献するものといえる. 本研究の目的は, 得られた共分散推定値がどの程度信頼できるかを評価する方法を提供することであり, 本研究ではかなり一般的な状況下で推定量の漸近分布を導出することでこの目的を達成した(推定量の漸近分布がわかれば推定値の信頼区間を近似的に求めることができる). より具体的には, 上述した状況に加えて, 観測データにジャンプがある場合や, 観測時刻と観測値の間に従属関係がある場合も許したもとで, 推定量の漸近分布を導出した. 観測データにジャンプを許すことは, 金融データでは大きなニュース等による金融市場のショックをモデル化する上で重要であり, また観測時刻と観測値の間の従属関係は, 今のように観測時刻が約定時刻に対応するような状況では存在を仮定すべきものである. このような理由から, 本研究で得られた結果はモデルに現実的な状況を反映する上で重要といえる.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)