2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J08474
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小穴 康介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 筋強直性ジスロフィー / 選択的スプライシング / 筋強直 / クロライドチャネル |
Research Abstract |
筋強直性ジストロフィーにおいて、クロライドチャネル遺伝子の選択的スプライシング異常は筋強直の原因となるため注目され、研究されてきた。申請者はマウスにおいてクロライドチャネル遺伝子の異常スプライシングを改善する低分子化合物であるmanumycin Aを発見した。本研究の目的はその効果や作用機序を明らかにすることである。 manumycin AはRasのファルネシル化を阻害することで、その機能を阻害することが先行研究より明らかにされていた。そこで、培養細胞にsiRNAを用いてH-Ras、N-Ras、K-Rasの遺伝子発現をノックダウンし、クロライドチャネル遺伝子の選択的スプライシングに対する影響を調べたところ、H-Rasをノックダウンしたときに、筋強直性ジストロフィーで増加するクロライドチャネル遺伝子のスプライシング産物が減少することが分かった。この結果から、manumycin AはH-Rasを介してクロライドチャネル遺伝子の選択的スプライシングを制御することが示唆された。そこで、Rasのクロライドチャネル遺伝子の選択的スプライシングへの影響をより詳細に調べるために、Rasタンパク質の発現ベクターを構築しているところである。 ここまで得られた結果は全てマウスの細胞や遺伝子を用いたものである。マウスとヒトのクロライドチャネル遺伝子では、エキソン数やスプライシングパターンが異なるため、ヒトでもマウスと同様の結果が得られるかは重要なことである。ヒト患者由来の細胞を用いてmanumycin Aの効果を調べるために、ヒト患者由来の細胞でクロライドチャネル遺伝子のスプライシングを解析する系を立ち上げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト患者細胞を用いたクロライドチャネル遺伝子の選択的スプライシングの解析系の確立に難航したため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト患者細胞を用いてmanumycin Aがマウスのときの結果と同様にクロライドチャネル遺伝子の選択的スプライシングの改善をもたらすか明らかにすること。また、Ras発現ベクターを用いて、クロライドチャネル遺伝子の選択的スプライシングへのRasの影響を明らかにすること。
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Research Products
(5 results)