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2014 Fiscal Year Annual Research Report

筋強直性ジストロフィーの治療及び発症機構の解明

Research Project

Project/Area Number 13J08474
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

小穴 康介  東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords筋強直性ジストロフィー / 選択的スプライシング / 筋強直 / クロライドチャネル / Ras
Outline of Annual Research Achievements

筋強直性ジストロフィー(DM)において、クロライドチャネル遺伝子CLCN1の選択的スプライシング異常は筋強直の原因となるため注目され、研究されてきた。申請者はマウスにおいてClcn1の異常スプライシングを改善する低分子化合物であるmanumycin Aを発見した。本研究の目的はその効果や作用機序を明らかにすることである。

現在までにDM患者由来の筋芽細胞を用いてmanumycin AのヒトCLCN1における効果を調べる研究を行ってきた。CLCN1は筋肉が成熟した状態でないと発現しないため、まずはDM患者由来の細胞を筋管細胞へと分化誘導し、CLCN1が発現する系を構築しようとした。しかし、さまざまな分化条件や検出条件を検討してもCLCN1の発現を再現性よく検出できることが困難であった。そこで、manumycin AのヒトCLCN1における効果の検討を中止した。

また、manumycin AはRasのファルネシル化を阻害することが先行研究により明らかになっている。これまでにRNAiによって、H-Ras,N-Ras,K-Rasの遺伝子発現を抑制したところ、H-Rasの遺伝子発現抑制によって、Clcn1の正常型スプライシング産物の増加を確認してきた。そこで、現在はRasの下流のシグナルがClcn1スプライシングに与える影響を調べることで、Clcn1スプライシングの新たな制御機構を解明しようとしている。具体的には野生型のH-Rasや活性型変異を持つもの、不活性型の変異を持つものを細胞に過剰発現させることで、H-Ras下流のシグナルを変化させた場合のClcn1スプライシングに対する影響を調べようとしている。なお、現在までにH-Rasだけでなく、N-Ras、K-Rasの野生型および変異を持つもの合わせて14種を発現ベクターにクローニングした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ヒト患者細胞を用いてmanumycin AのCLCN1スプライシングに対する効果を調べようとした。CLCN1は成熟した筋肉で発現しているが、培養細胞を用いた系では筋分化させることに限界があり、実験が進展しなかった。

そこで、RasシグナルのClcn1スプライシングへの影響を調べる研究に着手することにした。Rasは、H-Ras、K-Ras、N-Rasの3つが主要なものである。現在までにこれらの野生型のもの、活性型変異を持つもの、ドミナントネガティブ変異を持つものを発現ベクターにクローニングし終えた。
次年度にはこれらの発現ベクターを用いてRasの下流のシグナルがClcn1スプライシングに及ぼす影響について実験結果が得られると考えている。

Strategy for Future Research Activity

これまでに、ヒト患者細胞を用いてmanumycin AのCLCN1スプライシングに対する効果を調べるために、実験系の条件検討を試みてきた。しかし、ヒト患者細胞を用いて、CLCN1スプライシングを検出することが困難であることが分かったので、このプロジェクトは中止することにした。

今後はRasの下流のシグナルがClcn1の選択的スプライシングに及ぼす影響を調べる研究を行う。現在までに、H-Ras、N-Ras、K-Rasの野生型のものや活性型変異を持つもの、ドミナントネガティブ変異を持つものを発現ベクターにクローニングした。活性型変異を持つRasやドミナントネガティブ変異を持つRasを細胞に過剰発現させることで、Rasの下流シグナルを強めたり弱めたりすること出来ると考えている。

今後は、作製した発現ベクターを細胞に用いてRasを過剰発現させた際に、Clcn1の選択的スプライシングがどのように変化するかを調べる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2014 Other

All Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Analysis of mRNA decay by MBNL12015

    • Author(s)
      Kosuke Oana, Michinori Koebis, Shoichi Ishiura
    • Organizer
      IDMC10
    • Place of Presentation
      Cordeliers Campus(パリ、フランス)
    • Year and Date
      2015-06-08 – 2015-06-12
  • [Presentation] RNA結合タンパク質MBNL1の3’UTRに及ぼす機能解析2014

    • Author(s)
      小穴康介、古戎道典、石浦章一
    • Organizer
      第37回分子生物学会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • Year and Date
      2014-11-25 – 2014-11-27
  • [Remarks] 石浦研究室HP

    • URL

      http://www.ishiura.c.u-tokyo.ac.jp/Ishiura_Lab_HP/top.html

URL: 

Published: 2016-06-01  

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