2014 Fiscal Year Annual Research Report
基質親和性の高い微生物を利用した低濃度温室効果ガス処理技術の開発
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13J08488
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松浦 哲久 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 温室効果ガス / 低濃度ガス / 未培養微生物 / 次世代シークエンサー / 16S rRNA遺伝子 / 機能遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
排水処理プロセスから低濃度の温室効果ガス(メタン・亜酸化窒素)が発生している。低濃度ではあるが発生量が多いため、排水処理場全体からの温室効果ガス排出の割合は高い。それにも関わらず、そのような温室効果ガスの処理技術は未だ確立されていないのが現状である。そこで、本研究では、基質親和性の高い微生物を利用して大気程度にまで温室効果ガスを分解する技術を確立させるとともに、その微生物の機能解明を行う事を研究目的とした。本年度は、基質親和性の高いメタン酸化細菌の機能解明に向けて、培養微生物群を含む様々な環境のメタン酸化細菌の16S rRNA遺伝子に基づく系統分類とpmoA遺伝子(メタン酸化酵素遺伝子)に基づく機能推定を実施した。各サンプルからDNA抽出後に16S rRNA遺伝子とpmoA遺伝子を次世代シークエンサー(Miseq)にてのアンプリコンシークエンスを行った。Miseqにて得られた各サンプルの塩基配列をQiime等のソフトウェアを用いてpmoA遺伝子ライブラリーを作成した所、基質親和性が高いと推定されているメタン酸化酵素を有したメタン酸化細菌の存在が確認された。さらに、16S rRNA遺伝子のアンプリコンシークエンスの結果を用いて、そのメタン酸化酵素遺伝子を有する微生物の系統位置を推測したところ、新属の未培養微生物群であると推定された。しかし、その直接的な証拠は得られておらず、分離培養・ゲノム解析等の技術にて検証を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りの実験が実施できており、目的の結果をほぼ得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的達成のために、基質親和性の高い未培養メタン酸化細菌の機能解明(分離培養・ゲノム解析など)とその集積培養サンプルを用いて低濃度温室効果ガス処理の実証実験が必要であるが、未培養メタン酸化細菌の機能解明を優先的に進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)