2015 Fiscal Year Annual Research Report
ゼロ磁場制御可能な面直磁化スピン注入源を用いたスピンホール効果トランジスタの開発
Project/Area Number |
13J08663
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大杉 廉人 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スピン注入 / 強磁性金属 / 酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究において、まず、GaAsへの面直スピン注入とその輸送の光学的検出に成功した。FePt / MgOスピン注入源から電流によって注入された電子スピンはGaAs中の光学Kerr効果によって、時間・空間的に検出することが可能である。この手法を用いることによって、初めて注入された面直配向スピンの輸送を各バイアス電圧・磁場応答に関して観測することに成功した。この結果はJournal of Physics DとApplied Physics Expressに投稿されている。次に、より実践的なスピントランジスタデバイスを用いて、二次元電子ガスでの面直配向スピン注入・輸送・検出とシグナルの制御に関して目標に設定し遂行した。具体的にはAlGaAs / GaAs二次元電子ガス構造上にFePt / MgO面直磁化膜をスパッタリング法によって製膜し、光学・電子線リソグラフィーを用いてトランジスタ構造に形成し、スピントランジスタデバイスを作製した。本デバイスの特徴として「スピン注入電極とスピン検出電極の材料を変えた」という工夫がある。スピン注入においては、注入電極へのスピンの逆流を防止するためにMgOトンネルバリアをはさむことを行っている。一方で検出電極においては、電子スピンの検出電極とのやり取りを促すために、意図してトンネルバリアのないFe電極にした。このことによって、高効率スピン注入・検出を両立した。この手法は単一の注入検出電極材料を用いていた従来のスピン注入・検出効率のトレードオフ打破する結果となる。結果として注入・検出電極のどちらもトンネルバリアを有するFePt / MgO(注入) / GaAs / MgO / FePt(検出)デバイスでは見えなかったシグナルを、FePt / MgO(注入) / GaAs / Fe (検出)デバイスにすることによって得ることができた。このことにより目標を達成した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)