2014 Fiscal Year Annual Research Report
電子構造とフォノン分散制御によるAl基環境調和型熱電材料の創製
Project/Area Number |
13J08751
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
山本 晃生 豊田工業大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 電子構造 / 電子物性 / フォノン分散 / 熱電材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
廃熱を電力へ再生できる大規模熱電発電技術を実現することで,近年のエネルギー枯渇問題を緩和に貢献するために,環境調和な元素から構成された高性能熱電材料を開発することが急務である. 本研究では,基礎研究で用いられる計算科学の手法(バンド計算とクラスター計算)を利用して,微視的観点(電気構造と電子散乱確率,フォノン分散及びフォノン散乱確率)から熱電物性を厳密に取り扱うことで,実際に高性能な環境調和型材料を開発することを目的としている. これまでに,バンド計算を駆使することで,熱電材料として優れた電子物性を呈する環境に優しいAl-Mn-Si C54相とAl-Mn-Si C40相の開発した.しかし,格子熱伝導度が大きいために,既存材料の1/10以下の値しか示さなない.一般的に,格子熱伝導度を低減させると,電気抵抗率が増大してしまい,効果的にZTを増大できないと考えられているが,電子構造とフォノン分散を考慮した物性改質方法(選定した重元素で部分置換)を用いることによって,既存の熱電材料の性能の5割程度まで向上させることに成功すると共に,物性改質方法が有効性を証明したが,性能は未だ十分に大きくない. そこで,環境調和型高マンガンシリサイドMn-Si合金に対して,上記の知見を利用することで,良い電子物性を維持したまま,格子熱伝導度のみを60%低減させることが出来れば,実用材料と同等の性能を得られることに気付いた.試料を合成したところ,予測した通り,格子熱伝導度のみを60%以上低減させることによって,既存の実用材料と同等なZTを得ることに成功し, 開発した環境調和型新規熱電材料の費用対効果(最大エネルギー効率/材料価格)を既存の実用材料Te-Ag-Ge-Sb合金と比較すると,3倍にも達することから,既存熱電材料の代替材料として非常に有望な新規熱電材料を開発するに至った.
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)