2014 Fiscal Year Annual Research Report
超老化耐性ハダカデバネズミ特異的に心臓で高発現する抗酸化酵素DeBAT1の解析
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13J09194
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮脇 慎吾 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ハダカデバネズミ / 癌 / 寿命 / 老化 / INK4a / ARF |
Outline of Annual Research Achievements |
ハダカデバネズミ(naked mole-rat, NMR)は、マウスと同等の大きさながら、異例の長寿動物(平均生存期間31年)であり、未だ腫瘍形成が確認されていない癌化耐性齧歯類である。 申請者は、NMR、ヒト、マウスおよびラットの4動物種での組織別遺伝子発現比較で同定した、心臓においてNMRで特異的に高発現するgene Xの解析を行った。報告のある動物種のなかで、gene Xが心臓で高発現しているのはNMRのみであった。gene Xは通常肝臓で発現して血中に分泌され、アリルエステラーゼおよびパラオキソゲナーゼとしての酵素活性を有する抗酸化酵素である。しかしながら、NMRの血清におけるgene Xの酵素活性を測定した結果、酵素活性は測定限界値以下であった。gene Xはカルシウム依存性の酵素活性を有するが、NMRの血中カルシウム濃度は検出限界値以下であったことから、NMRでは、他種とは異なるカルシウム非依存的な様式を有する可能性が考えられた。 申請者は次に、細胞の癌化や個体の老化との関係が報告されている癌抑制遺伝子INK4aとARFのクローニングと機能解析を行った。NMRにおいては、INK4aとARFに種特異的な配列変化が存在することが知られている。この遺伝子の種特異的な機能・個体の癌化・老化耐性との関係を解析するために、抗体作製等の解析基盤を確立し、発現様式と遺伝子機能に関して解析を行った。結果として、マウスやヒトと同様に、細胞老化ストレス時の発現上昇、細胞周期を停止させる機能は保存されていることが明らかとなった。さらに、NMRからiPS細胞を作成して造腫瘍性の検証を行ったところ、NMR-iPS細胞はARF遺伝子の種特異的な発現制御により腫瘍化耐性であることを見いだしている。今後、これらの遺伝子の詳細な機能差、個体の癌化・老化耐性への寄与についての解明をさらに進めていく。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)