2015 Fiscal Year Annual Research Report
群体性ボルボックス目テトラバエナを用いた多細胞化初期段階の進化生物学的解析
Project/Area Number |
13J09234
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新垣 陽子 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多細胞化 / 群体性ボルボックス目 / テトラバエナ |
Outline of Annual Research Achievements |
ボルボックス目緑藻は、単細胞のクラミドモナスと多細胞化して複雑化したボルボックス、さらに細胞数や分化段階で進化的中間段階の種を含む、多細胞化のモデル生物群である。申請者は、真核生物で独立に何度も生じた多細胞化 (複数の細胞が単一の個体として統合される) という現象を、本生物群の中で最も初期に分岐し、細胞数が4細胞と最も少ないテトラバエナに注目し、単細胞から多細胞への転換期に起きた重要な進化的イベントの解明を目指し研究を行っている。 緑藻ボルボックス目の多細胞の種では、細胞質分裂直後の娘細胞がしばらく原形質の架橋で接続され、その状態で形態形成運動および細胞壁合成を行うことで、多細胞個体としての発生を行う。そこで、申請者は細胞質分裂関連遺伝子とその上流で制御を行っていると考えられる細胞周期に関わる遺伝子群が、多細胞化に伴い進化しているのではないかと考え、注目している。 平成27年度は、単細胞クラミドモナス、4細胞テトラバエナ、16細胞ゴニウム、32細胞ユードリナの同調培養系を用い、細胞周期および細胞質分裂関連遺伝子の発現パターンを非分裂ステージ、分裂ステージ、分裂ステージの直後で比較解析を行った。その結果、複数の遺伝子で、単細胞クラミドモナスと4細胞以上の多細胞の種で発現パターンが異なることが明らかとなり、多細胞化にともない進化したことが予測された。しかし、これら遺伝子はクラミドモナスでの詳細な研究が少なく、機能がほとんどわかっていない。そこで現在は、これら遺伝子の特異的抗体を用いた細胞内局在解析および、共同研究先のライブラリーより得た当該遺伝子欠損株を用いた表現型解析を実施し、これら遺伝子の機能と多細胞化にともなう進化的意義を解明すべく、解析中である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)