2013 Fiscal Year Annual Research Report
知識のグローバル・ローカル結合と研究開発機能の空間的分業に関する地理学的研究
Project/Area Number |
13J09269
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌倉 夏来 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 工地理学 / 研究開発機能 / 空間的分業 / 多国籍企業 / 化学産業 |
Research Abstract |
4月から9月にかけて、修士論文で取り上げた化学企業の研究成果について、学術雑誌に投稿する論文を執筆した。論文執筆のため、既存文献の理論的な検討、社会ネットワーク分析の適用などを行い、企業文化・技術軌道・空間的分業という3つの理論軸から再度分析を行い、3誌に投稿した。2誌については、査読を経て受理されている。 また論文執筆に並行して、グローバルR&Dについての展望論文で行ってきた文献レビューの対象を広げ、研究開発機能における空間的分業の理論的検討を行った。この点についてはある程度の成果を得たものの、次年度も継続して行う予定である。 フィールドワークについては、9月から10月にかけてドイツ、イギリスでの調査、2月から3月にかけてドイツ、ベルギーでの調査を行った。まず修士論文で取り上げた化学企業を中心に、ドイツ、ベルギー、イギリスにおける研究開発拠点へのインタビュー調査を実施した。この調査によって、国内外拠点との知識・人材のフローに関する情報収集を行った。 9月から10月にかけての調査では、ドイツ国内の複数のケミカルパークの担当者、ドイツ化学工業協会を訪問し、ドイツ国内の化学産業の構造・再編関する情報収集を行った。 2月から3月の調査においては、ハノーファー大学のSternberg教授の研究室に滞在し、研究内容や方針の発表を行った。現地スタッフや大学院生から質疑やアドバイスを受けるなど、経済地理学における研究交流を行った。また並行して、現地化学企業の企業図書館を訪問し、資料収集を行った。さらに、ベルリンのフンボルト大学の経済地理学教室も訪問し、研究に対する意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、修士論文で取り上げた化学企業の研究成果について、学術雑誌に投稿する論文を執筆し、8月に京都で開催される国際学会において発表を行い、グローバルR&Dについての展望論文で行ってきた文献レビューの対象を広げ、研究開発機能における空間的分業の理論的検討を行う。海外進出企業に対するデータベースを作成する予定は来年度に変更したが、既に準備段階に入っており、大きな変更はしていない。また、修士論文で取り上げた化学企業を中心に、国内外における研究開発拠点への補足調査を計画通り行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題として、まず前年度から準備している統計分析のためのデータベースの作成に取り掛かり、化学企業を中心とした多国籍企業のグローバルR&Dについて統計的な分析を行う。また、昨年度に引き続き、国内外でのフィールドワークを実施し、国内外の拠点間における知識フローについての情報収集を行う。国外については. アジア及びアメリカでの調査を予定している。これらに並行して、多国籍企業における研究開発機能のグローバル化に関する経済地理学的分析の理論的検討を行う。
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Research Products
(5 results)