2014 Fiscal Year Annual Research Report
pH応答スピンクロスオーバー錯体膜の開発と電場によるスピン状態の時空間制御の研究
Project/Area Number |
13J09387
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀渕 萌 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プロトン応答性 / ナフィオン / スピンクロスオーバー / 発光特性 / イリジウム錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はpH依存機能性錯体を陽イオン交換膜:ナフィオン内部のナノ空間反応場に固定化し、得られた透明膜の機能性制御を目的としている。本年度は前年度に行ったpH依存スピンクロスオーバー錯体膜のスピン状態制御に関する研究を発展させ、プロトン応答性透明発光膜の開発を行った。pHに応答して発光強度が変化するイリジウム(III)錯体[Ir(Hbip)(Mebib)]、およびpHにより発光波長が変化するイリジウム(III)錯体[Ir(bdp)3]を陽イオン交換によりナフィオンへ導入した。緩衝液を用いたpH調整により、[Ir(Hbip)(Mebib)]@Nafionでは発光強度を制御した透明発光体を作り分けることに成功した。また、25℃、湿度90%におけるプロトン伝導度はpH2-10で10-4~10-7 [S/cm]のオーダーであり、昨年度開発した[(bpy)2Ru(H2bpib)Ru(bpy)2]@Nafionの伝導度(10-9~10-10 S/cm)を大幅に上回ることができた。一方、[Ir(bdp)3]@Nafionでは発光波長のpH依存性がほとんど見られず、溶液で観測されるような発光色の制御には至らなかった。ただし、発光量子収率と寿命に関しては、膜状態では溶液状態よりも約4倍高い結果となり、これは周辺環境がrigidとなったことによる影響と考えられ、膜化する大きなメリットを見出すことができた。透明発光体は、発光体自身による吸収や光散乱の影響が少なく、省エネ等の観点から盛んに研究開発が行われている研究分野である。ナフィオンを用いた透明発光体は、きわめて簡便に任意の大きさの膜を作製できるのみならず、電圧をかけてプロトンを流すことにより発光特性を制御できることが大いに期待できる。今後、電圧によって発光特性を制御可能な透明膜の開発の更なる推進が望まれる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)