2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J09547
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山野 友義 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 制御性T細胞 / 自己寛容 / 胸腺 |
Research Abstract |
「研究の目的」 胸腺における制御性T細胞分化は自己免疫寛容に極めて重要であり、制御性T細胞分化に欠陥がある場合自己免疫疹患を発症することがヒト、マウスにおいて知られている。制御性T細胞分化は胸腺において未熟T細胞が成熟する遁程で行われる。これまで胸腺において未熟CD4+CD8+細胞は成熟CD4SP細胞へと分化を進める期間に、制御性T細胞くと分化する能力を徐々に失うことが報告されている。一方でその詳細な分子メカニズムは未知の部分が多い。本研第の目的は未熟T細胞が成熟する過程に変動する遺伝子をマイクロアレイによる網羅的遺伝子解析をすることで、胸肪における制御性丁細胞分化メカニズムを解明することである。 「実施した研究」 制御性T細胞分化の詳細なメカニズムを調べるため我々は分化段階の異なる3つの未熟胸腺CD4SP細胞(SP1, SP2, SP3)を精製し、マイクロアレイによる網羅的遺伝子解析により成熟に伴い発現が増加(または減少)する遺伝子を調べた。その結果T細胞成熟にともない発現が変動する35個の遺伝子を得た。35個の遺伝子のうち制御性T細胞に分化に関連しうるものを選びRTPCRによってマイクロアレイのデータを確認した。候補遺伝子を強発現、発現を減弱させるレンチウイルスベクターを作成し、骨髄細胞に候補遣伝子をT細胞特異的に強発現、または減弱させた骨髄キメラマウスを作成し、候補遺伝子が制御性T細胞に与える影響を調べている。これまでのところ、Lztfl1をT細胞特異的に強発現した骨髄キメラマウスは制御性T細胞の数、割合が減少することがわかった。今後、候補遺伝子をT細舶特異的に強発現、またはノックダウンさせた骨髄キメラマウスをすべて作成し、制御性T細胞分化に影響を及ぼす遺伝子候補を絞る。候補遺伝子の欠損マウスを作成、解析することで制御性T細胞分化メカニズムの詳細を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
T細胞成熟に伴い変動する遺伝子の候補を得ることが、1年目の研究計画であり、これに関しては達成することができたため、研究はおおむね順調に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は候補遺伝子のクローニング、候補遺伝子を強発現または発現を減弱させるレトロウイルスペクター作成、おそびレトロウイルスベクターを感染させた骨髄キメラマウスを作成することで候補遺伝子の制御性T細胞分化に与える影響を評価する。レトロウイルスベクター作成、それを用いた骨髄キメラマウスの作成等の実験系はすでに研究室において確立されているので、効率よく研究が進むことが期待できる。
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Research Products
(3 results)