2014 Fiscal Year Annual Research Report
集積型オクタシアノ金属錯体における高機能光磁性現象の観測
Project/Area Number |
13J09550
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾崎 仁亮 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シアノ架橋型金属錯体 / コバルト / タングステン / 磁性 / 伝導性 / MOF |
Outline of Annual Research Achievements |
シアノ架橋型金属錯体は、複数の金属イオンと、それを架橋するシアノ基からなる構造を有する金属錯体であり、用いる金属イオンや組み合わせる有機化合物によって構造や物性が大きく変化することから、機能性金属錯体を合成する上で有用な構築素子として、盛んに研究が行われている。中でも、CoとWを組み合わせた錯体においては、相転移を示す錯体や大きな保磁力を示す錯体などの性質を示すものが報告されており、興味深い研究対象である。本研究では、CoとWを組み合わせたオクタシアノ金属錯体であるCo3[W(CN)8]2(purine)2.10H2Oを合成し、その磁気特性と伝導度について、検討を行ったことに加え、有機金属構造体 (metal-organic framework; MOF)としての性質として、合成後の粉末サンプルへの有機分子の導入の可能性について検討した。この結果、本錯体は、磁気相転移温度が49 Kの強磁性体であること、および、10-6 S cm-1程度の伝導度を有することがわかった。また、本錯体を150 ℃で加熱しながら真空引きを行い、窒素置換後、DMSOを滴下して2時間撹拌した。本処理後のサンプルの元素分析を行った結果、硫黄原子が検出された。本錯体は、熱重量測定より、150 ℃では錯体中に含まれる水分子が全て脱離することがわかっており、Coに配位した水分子は、DMSO分子に置換されていると予想できる。これは、本錯体が本研究では、溶媒であるDMSOを用いたが、導入する有機化合物として、キラリティを有するもの、pKaの低い官能基を有するもの、配位子場強度の強いものを導入することにより、錯体の構造全体へのキラリティの導入、高イオン伝導性や相転移現象の発現などにつながることが期待でき、磁性や伝導性と組み合わせることによって、複合的な機能を有する金属錯体の合成が期待できる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Structural phase transition between γ-Ti3O5 and δ-Ti3O5 by breaking of one-dimensionally conducting pathway2015
Author(s)
K. Tanaka, T. Nasu, Y. Miyamoto, N. Ozaki, S. Tanaka, T. Nagata, F. Hakoe, M. Yoshikiyo, K. Nakagawa, Y. Umeta, K. Imoto, H. Tokoro, A. Namai, and S. Ohkoshi
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Journal Title
Crystal Growth and Design
Volume: 15
Pages: 653-657
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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