2015 Fiscal Year Annual Research Report
木材腐朽菌の進化史:未知系統の探索と宿主材への適応から紐解く多様化過程
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13J09680
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
白水 貴 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 木材腐朽菌 / 多様性 / 未知系統 |
Outline of Annual Research Achievements |
木材腐朽性きのこ類の未知系統を効率的に探索する方法の確立を目的とし,子実体採集,分離培養,環境DNA解析の比較を行った.結果,子実体採集,分離培養,環境DNA解析にて11,10,16 OTUが得られ,このうち4,4,6 OTUがそれぞれの方法でのみ検出された.すなわち,これらの3つの方法はきのこ類の多様性探索において相補的であった.また,子実体採集による新規OTU検出数は10回目の調査でほぼ飽和し,分離培養と環境DNA解析でのみ未知の初期分岐系統を3つ検出することができた. 分離培養や環境DNA解析のみで検出されたアカキクラゲ綱の未知系統には,肉眼で見える子実体を形成しないものが含まれている可能性がある.また,アカキクラゲ綱の分子系統解析から,その進化の初期に分岐する系統は背着性や直径1 mm以下のクッション状などの目立たない子実体を形成する傾向が見て取れる.従来の子実体採集に基づく多様性探索では,これらの肉眼で見える子実体を形成しない系統や,子実体が目立たない系統を見落としてきたと考えられる.アカキクラゲ綱以外の担子菌系きのこ類であるハラタケ綱やシロキクラゲ綱においても,その多様性や系統進化に関する研究は主に採集された子実体に基づいて進められてきた.これらのきのこ類の初期分岐系統にも目立つ子実体を欠くものが多く,従来の子実体の目視による探索では重要な系統を検出できていなかった可能性が高い. 本研究の結果から,きのこ類の系統にあっても肉眼で見える子実体を形成せず環境中に潜在している未知系統が存在し,これらが菌類の進化を考えるうえで重要な系統的位置を占めている可能性が見えてきた.「きのこ類は目に見えるもの」という常識にとらわれず,見えない未知系統の探索とその生物学的情報を得るための手法を洗練することで,菌類の生態や進化に関する理解をより深めていくことができるだろう.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Comparative genomics of early-diverging mushroom-forming fungi provides insights into the origins of lignocellulose decay capabilities2016
Author(s)
Nagy L.G., Riley R., Tritt A., Adam C., Daum C., Floudas D., Sun H., Yadav J.S., Pangilinan J., Larsson K.-H., Matsuura K., Barry K., Labutti K., Kuo R., Ohm R.A., Bhattacharya S.S., Shirouzu T., Yoshinaga Y., Martin F.M., Grigoriev I.V., Hibbett D.S.
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Journal Title
Molecular Biology and Evolution
Volume: 33
Pages: 959-970
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Revision of the Massarineae (Pleosporales, Dothideomycetes)2015
Author(s)
Tanaka K., Hirayama K., Yonezawa H., Sato G., Toriyabe A., Kudo H., Hashimoto A., Matsumura M., Harada Y., Kurihara Y., Shirouzu T., Hosoya T.
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Journal Title
Studies in Mycology
Volume: 82
Pages: 75-136
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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