2013 Fiscal Year Annual Research Report
快・不快に基づく強化学習を用いた自己成長型筋電義手に関する研究
Project/Area Number |
13J09972
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
粕谷 昌宏 電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 筋電 / 機械学習 / 義手 / BMI |
Research Abstract |
本研究課題では, 快・不快に反応する脳領域や体動特徴の探索, 不快感を用いた強化学習アルゴリズムの開発, という2つの軸で構成されている. 前者の快・不快を定量化するための脳波計測法および計測部位の同定は前年度までに行った. 現在は快・不快の計測システムを義手と統合するための開発を続けている. 具体的には, 前年度での手法はオフライン解析によるものであったため, 快・不快の計測システムのオンライン解析が可能なシステムの開発を進めている. また, 同時にシステム全体の小型化も図っている. 現在の開発状況として, 不快感計測部分の小型ポータブル化を行い, 10Hzで義手システムへ計測した脳波情報を送信するだけのリアルタイム性を確保した. 本研究課題で対象とする快・不快の定量化は, 義手のみならず様々な機械の評価やその他様々なアプリケーションに応用が可能なため, システム全体を小型かつ確実簡便に計測ができるよう開発することは非常に重要な要素となる. また, これに並行し不快感を用いた強化学習アルゴリズムの開発を行っている. 今年度は前年度までに用いられてきた義手のプロセッサ部分の設計を変更し, よりコンパクトで扱いやすいものとなっている. 研究実施計画では学会などのため旅費が多く計上されていたが, 様々な国や地域で交流をしたことにより多くの実績に結びついた. 11月に視察したアメリカではスタンフォード大学やカルフォルニア大学バークレー校など様々な大学や企業の研究に触れたが, その結果研究成果がSRI(スタンフォード・リサーチ・インスティテユート)の目にとまる結果となり, 研究戦略の立て方などに関して多くのアドバイスを得ることができた. また, そのアドバイスをもとに参加したTech Planコンテストにて受賞することができた上, 雑誌WIREDでも研究が紹介される運びとなった. この成果により, 部品の製作方法や解析方法に至るまで様々な知見や技術を得ることができている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は脳波信号と筋電信号から, 筋電と随意動作の対応関係を快・不快をもとに自動学習するアルゴリズムを開発するものである, 不快感を定量化する手法についてはすでに開発し, システムの小型ウェラブル化に取り組んでいるところである. 当初の計画では据置型の脳波計を用いて不快感の定量化を行う予定であったが, 義手として用いる場合システムの小型化が望ましく, 一歩進んで実用を考慮した開発を進行させている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後, 直近では機械学習部分のアルゴリズムを開発していく, 具体的には, すでに学習された筋電パターンと義手動作との対応関係を, 動的かつ任意に変更可能なシステムを開発する. これが達成されれば, 実際に義手を用いて上記不快感の計測が可能になるため, 次のステップとして実際に不快感をパラメータ取り入れた強化学習アルゴリズムの開発を行っていく. 現在懸念されている事項としては, ポータブル化に際して計測チャンネルを削減しているため, 快・不快計測の精度が劣る可能性があることである. ある程度の精度低下であれば許容可能だが, 精度低下が大きかった場合, 理論の見直しとアルゴリズムのさらなる更新を行い, これに対処する.
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Research Products
(4 results)