2013 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子IRF8によるGMP及び好中球への分化抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
13J09992
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山本 道雄 横浜市立大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 転写因子 / 細胞分化 / 好中球 / マクロファージ / IRF8 / C/EBPα / ミエロイド前駆細胞 / CML |
Research Abstract |
転写因子IRF8はミエロイド前駆細胞において、マクロファージへの分化を誘導する一方、穎粒球への分化を抑制している。IRF8はマクロファージ分化を誘導する際、マクロファージ分化に必須である転写因子PU.1と標的遺伝子のプロモーター上で結合し、PU.1のDNA結合能を高めることが知られている。一方、IRF8が顆粒球分化を抑制する機序はこれまで全く分かっていない。これに関して当研究室では、顆粒球分化に必須である転写因子C/EBPαとIRF8が結合するという興味深い実験結果を得た。この結果から、IRF8がC/EBPαと直接結合しその機能を阻害することで、顆粒球分化を抑制しているのではないかという仮説を立て様々な解析を行った。 今回我々はIRF8とC/EBPαの結合について更なる詳細な解析を行うために、IRF8, C/EBPαのそれぞれの結合部位の同定を行った。DBDやIADに点変異を持ったIRF8やC/EBPαのdeletionmutantを作製し、それらを用いてCo-IPによりIRF8, C/EBPαのそれぞれどの部位が結合に重要かを解析した。この実験によりIRF8, C/EBPαはともにDBDを介して互いに結合していることが明らかとなった。この結果は、既に得られている、IRF8がC/EBPαのクロマチンへの結合を著しく抑制するというクロマチン免疫沈降法の実験結果とも一致する。またIADに変異を持ったIRF8は好中球分化を抑制したものの、DBDに変異を持ったIRF8は好中球分化を抑制できなかった。このことからIRF8はC/EBPαと結合することでC/EBPαのクロマチンへの結合を抑制し、それにより好中球分化を抑制されるということが明らかとなった。我々は計画したすべての研究を遂行し、論文作製に必要なデータを揃えることができた。現在これらの結果をまとめ、国際論文に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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